今日も石職人さん親子は、朝9時から作業を始めた。私の目には完成したように見える石積みだが、まだあるようだ。
職人さん親子は、スイカとメロンくらいの石をそれぞれ抱え、運んで来た。
私:「どこか、足りないところがあったんですか?」
職人さん:「いえいえ、形が悪いのがあったんで、交換です。」と、どこの石か分からない。
すると、息子さんが桜島大根くらいの大きな石を動かし、チェーンをかけた。クレーンで吊り上げるようだ。
桜島大根くらいの石一つと、スイカとメロンくらいの石二つを交換したのだ。確かに、収まりがいい。職人さんは全部積み終わった後、その部分が気になり、今日まで作業を持ち越したのだった。
before
after
『でっしゃろー』
私:「ありがとうございます!こっちの方がいいですねー!」
石職人さん:「でっしゃろー。」久しぶりに聞くフレーズに感動した。
『でっしゃろー』関西弁の『そうですやろ』が変化した、職人や商人がよく使う言葉。「でしょう?」「そうでしょう?」の意味(だと思う)。
私:「終わったら、声を掛けて下さい。よろしくお願いします。」
仕事があるので、書斎に戻った。
石積みの隙間
お昼休み、職人さん親子は車で出かけて行った。この隙に写真を撮る。石積みは、自分の家とは思えないほど立派。どれほどの大邸宅があるのか、と思わせるほど風格がある。逆に恥ずかしい。
少し離れて全体を見ると、何かが違う。石積みの隙間に、所々生えていた雑草が無くなっていたのだ。しかし、それだけではなかった。石積みの隙間にコンクリートを流し込んで、補修してくれていたのだ。凄い、いつの間に。
全ての作業が終わったのは午後3時。昨日より早く終わった。息子さんは道路の掃除を済ませ、打ち水をしている。お礼に、用意していたゼリーの詰め合わせを渡した。
私:「石積みの隙間まで補修していただいて、ありがとうございます。」
石職人さん:「一ヶ所だけ綺麗になっても、バランス悪いし。コンクリが余ってたんで、ついでですわ。」と、超謙虚。ただ者ではない。
常にベストの物を選ぶ
お城の石垣とは違う、庭石。形が違う石をどうやって選び、どういう順で積んでいるのか?石職人さんから話しを聞いた。
必要な数を、少し多めに持って来るんです。
その中で、一番(形や色が)ええのん選ぶんです。それが最初の一個。
次に、残りの石の中から一番ええのん選ぶんです。さっきの隣に置くんです。
また、残りの石の中から一番ええのん選ぶんです。さっきの隣に置くんです。
最後に残った石を置くんです。が、ハマらんことが多いです。
なんでか言うと、それは選んだ石とちゃうからです。
そうならんように、少し多めに(石を)持って来るんです。
昨日は石を多めに持って来ていたが、予定より範囲を広げたため、数が丁度になったらしい。先程の話しだが、最後の石は選んでいないため、(見た目の)収まりが良く無かったそうだ。
『パズルとちゃいますねん。いつも、一番ええのんを選ばんと、、』
職人魂だ。
← 外構工事、再び。「掃除までせんことには、終わったとは言えません。」
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