怒りがおさえられなくてしくじり

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怒りがおさえられなくてしくじり

40代以上しか参加できない婚活パーティに参加したんです。
参加人数は意外にも多くて、私はかなり期待しました。
参加スタイルとしてはかなり自由で、それぞれ好みの異性と喋ったり、連絡先を交換していました。
私は、友人と参加したのですが、友人はかなりモテるタイプなのですが、私は全然なので、気合いを入れて男性達とお喋りをしていました。

すると、一人の男性がスマホの操作がわからないらしく、あたふたしていたんです。
どうやらメールが来たらしいのですが、その見方がわからず困っているようなんです。
あまりにも困っていたので教えてあげたら、なぜかそれからというもの男性は私の側から離れなくなったんです。
ですが、はっきり言ってタイプではなかったんです。
私は、背が高い人がタイプなのですが、その人は背が低く、どこかオドオドしていて、男らしいタイプとは言えませんでした。
でも、話しかけてくれているのを無下にすることもできず、男性の話に相槌を打ってたんです。

すると、その男性が急にニヤニヤしてきて、私を計算高いと言うんです。
計算?なんの計算かと思っていたら、男性はスマホを見せると、「僕が困っているところに声をかけてくるなんて、ずいぶんめざといんだね」
その言葉でわかりました。
彼は、私が彼に近づきたいがために声をかけてきたと思っていたんです。
私は、思わず笑ってしまいました。
そして、誤解だと言おうとしたら、彼がグッと顔を近づけてきて、「残念でした。僕はこう見えても身持ちは固いんだ。そう簡単には落ちないよ」と、自信たっぷりに言うんです。
はぁ?何言ってんのと思っていたら、私がずっと狙っていた男性がやっと一人になったのが見えました。

私は、今だと思ってその場から離れたんです。
ところが、です。
まだその勘違い男はついてくるんです。
小走りで追いかけてきながら、「でも、君がどうしてもと言うなら、連絡先を教えてもいいよ。ほら、欲しいんだろ?」
勘違い男が大きな声で言うので、周囲の人が振り向きます。
そして、私がタイプだと思った男性が足早に去っていきました。

あきらかにその原因は、この勘違い男です。
私は、怒りが頂点に達して、その勘違い男の胸ぐらをグッと掴んだんです。
そして、驚く顔を睨みながら、「さっきからなんなのよっ。私はあなたのことなんて、タイプではありませんっ」と怒鳴ってしまったんです。

周囲は、ますます静かになりました。
ハッと我に返ると、サッと私の周囲の人が離れていくんです。
友人が慌てて駆け寄ってきました。
私は、自分のしくじりにやっと気がついたんです。
きっと、がさつで乱暴な女だと思われたに違いありません。
私は、友人に促されて婚活パーティの会場を後にしました。

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