優等生の裏の顔…偶然見てしまった体験談

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優等生の裏の顔…偶然見てしまった体験談

今回は、私の見てはいけない場面を見てしまった体験談をお話ししたいと思います。

それは忘れもしない、中学1年生の時の下校時のことでした。

私は自転車通学なので、ぼんやり自転車を漕ぎながら下校していました。

すると、前には近所の3年生の先輩が自転車を漕ぎながら下校しています。

私は、「あ、先輩だ。挨拶しようかな」と考え、口に出そうか迷っていると…なんとその先輩がペットボトルを他人の家の庭に放り投げたのです。

ちょうど、民家が連なって立ち並ぶ場所で、その一軒にポーンとペットボトルを投げた先輩は何食わぬ顔で自転車を漕ぎ続け、角を曲がり見えなくなっていきました。

私は見てはいけないものを見てしまったショックでしばらく頭がボーッとしてしまい、自宅についてからも自室に篭り悶々としてしまいました。

ペットボトルを投げた先輩がちょっと不良っぽい人であったりしたならば、そこまでショックを受けなかったと思うのですが、その先輩は近所と言わず学校でも生徒会に所属し、成績も優秀な優等生として有名だったのです。

この時、私は人はさまざまな側面があり、分からないものだと言うことを知ったように思います。

さらに、この1度ではなく、私はまたもや偶然、先輩の驚きの姿を目の当たりにすることになります。

それは、ある雨の日の下校時のことでした。

学校を出た頃にはひどい土砂降りだった雨が小降りになり、着ていたカッパを脱ごうか思案しながら自転車を漕いでいると、またもや目の前に例の先輩が傘をさしながら自転車を漕いでいました。

しばらくその姿を見つめて自転車を漕いでいると次の瞬間、先輩が手に持っていた傘を閉じ、他人の家の庭に放り投げたのです。

あまりのことに、私は1度目と同様見てはいけないものを見てしまったショックに呆然としてしまいました。

傘を放り捨てると言うことは…その傘は先輩のものではなく、誰か他の人の傘…と勝手な想像をしながら、きっとその想像は当たっているだろうと思い、ちょっと怖くなりました。

それから私は先輩を見る目が180°変わり、なるべくなら近寄らず、関わらないようにしようと心に決めました。

その後先輩は推薦入試に受かり、県内有数の進学校へと進学し、その後は東京の大学へ進学したと風の噂で聞きました。

私が見てしまった見てはいけない先輩の姿は墓場まで持っていこうと決め、未だに誰にも話していません。

人間とは、簡単にどんな人か分かるものではないと言うことを知った若き日の体験談でした。

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