世の中のうまい話

魚のウンチク、旬、漁師だけが食べている浜料理の紹介などなど・・・食べ歩きは八王子中心!都心も地方もたま~に

帆立貝(ホタテガイ)・ホタテ

2020年04月08日 23時10分43秒 | Weblog



帆立貝(ホタテガイ)



【語源】
「帆立貝」の語源は、この貝が移動する時、舟の帆の様に殻を立てて
移動する姿から・・・と言われています。しかし実際は少し違うよう
です。実際の移動方法は貝柱を使って殻を閉じる際、噴射口から海水
を勢いよく吐き出して前へ進みます。
一度の噴射で2㍍近くジャンプします。この跳躍力を可能にする為
貝柱が発達し、その恩恵を私たちは受けているわけです。


      ホタテの串焼き

古書には、ホタテは「海扇」と記されています。
これは、形が扇(オウギ)に似ていることからこの字を当てたとか。
見たままですね~!

現在でも白干などの干貝柱業界団体にこの名称が残っています。
また、中国では「海扇」の字が使われているくらいです。




          ホタテの刺身



      ホタテの肝 しょっつる焼き



【旬】
ホタテの旬は難しいです。春だという説、秋だと言う説。
養殖技術が最高域にまで達している事、冷凍しても味が落ちない事
などの要因が旬をわかり辛くしているようです。
裏を返せば、非常に馴染みがあり、1年中美味しく、需要がある優秀
な食材と言えるでしょう。

マグロ君の見解ですが・・・産卵後の貝柱が成長する夏から秋と、
産卵前で精巣や卵巣が太る冬から春にかけてが旬ですが・・・

特に産卵前の3~5月、春が旬という事にしたいと思います。

また、春は養殖物の最盛期。流通しているホタテの多くは養殖物の
為、春が旬としましょう。







【うんちく】
潮通しのよい水深70m以浅の砂泥底や砂礫底に生息し、水深30m
以浅に多い。生息水温は22℃以下で、20℃以上では成長が止ると
言われています。
水温25℃を超えると全滅すると言われています。温暖化が心配
ですね。
また、低塩分にも弱く、淡水中に入れると1分前後で死に至ります。



       ホタテの殻焼
日本で一番消費量の多い貝と言えば、アサリでもシジミでもカキでも
なく、ホタテ貝です。古くは5千年~7千年も昔の貝塚からホタテ貝
の貝殻が出土しています。
縄文時代にはホタテ貝はすでに重要な食料だったようです。
現在に至っては、他の貝類を圧倒する漁獲量と、貝柱の旨味、栄養価
の高さ、さらに姿の美しさから「貝類の王」、「海の貴婦人」と賞賛
されています。





    左が天然、右が養殖のホタテ

【養殖と天然】
ホタテの主産地は北海道、岩手、青森です。
天然物は一部で、ほとんどが養殖物です。

ホタテの養殖方法は大きく分けて2種類あります。
三陸や青森で行われているのは、稚貝をある程度籠の中などで育て、
殻に穴を開け、そこにヒモを通して海の中に垂下する養殖方法。
(3~4年で出荷します。)

北海道では、稚貝を海に地撒き(ぢまき)放流し、3年後に漁獲する
やり方をします。

どちらも、餌を与えるわけではなく、自然のプランクトンで育つ為、
養殖の定義にあたらないのでは・・・・と言う見解もあります。


      
特徴としては、三陸・青森の吊るしは、砂をかまない為、刺身用の
貝柱とワタ付きのボイル物の両方で流通しますが、北海道の地撒き物
は、砂をかむ為、刺身用の貝柱で多く流通しているようです。



        ホタテのにぎり寿司



【ブランド・産地】
主な産地は前章でも記したとおり、北海道、青森、岩手です。

ブランド化はされていないようですが、北海道噴火湾のホタテは
品質が良い事で知られています。

豊富なプランクトンとミネラルを含む噴火湾の水質は、ホタテに
留まらず、毛蟹でも有名です。


      ホタテのヒモ煮付け



     みそか焼

【産地ならではの漁師料理】
刺身、寿司、バター焼、鍋、かき揚げなど、様々な食べ方があります
が、下北の漁師さんは「味噌貝焼き」を好みます。
地元では「みそか焼」と呼ぶようです。作り方は簡単。
①貝殻からはずしたホタテの貝柱とヒモ(冬場は卵の部分も)を包丁
でぶつ切りにし、元の貝に乗せて火にかけます。
水を少し加えて適量の味噌を溶き入れる(この時に刻んだネギや春菊
、キノコなどを加えても良い)。
②火が通ったら、といた卵を加え、半熟状態になったら出来上がり。

味噌と卵の相性が抜群の郷土料理です。


また、漁師さんの刺身の切り方は一味違います。
通常は、貝柱を薄くするように、横に包丁を入れがちですが、漁師
さんは、繊維にそって縦に入れます。
「縦に入れた方が、独特の歯ごたえを楽しめるんじゃ~」・・・と!
皆さんもお試しあれ!


      天然のホタテ

【楊貴妃とビーナス】
ホタテ貝ほどその地位が東西を問わず認められ、高格付けされている
魚介類は珍しいと言えます。
干しホタテは中国料理に欠かせない高級食材ですが、中国ではホタテ
貝は別名、「揚妃舌(ようひぜつ)」と呼びます。
絶世の美女として名高い「楊貴妃の舌」です。
美しい光沢と弾力のある貝柱を喩えてのことなのでしょうが?


       ホタテの天ぷら

西洋では、特にフランス料理の重要な食材として高い人気を誇ります
が、その地位の高さを物語るものは、かの美神ヴィーナスの絵画や
王侯貴族の紋章などです。
15世紀の有名な絵画「ヴィーナス誕生」で髪の長い美神が立ってい
る台座はホタテ貝です。
また、英国最高位のカーター勲章を受けたチャーチルが作ることを
許された新しい紋章のデザインもホタテ貝です。



【栄養と効果・健康】
ホタテの貝柱は高たんぱく・低脂肪。なおかつ美味しい~!
究極のダイエット食です。
旨み成分のイノシン酸、グルタミン酸の双方を豊富に含んでいる為、
貝類の中でも最高に美味しいと、科学的に言えます。

タウリンも豊富なので血中のコレステロール低下、血圧を下げる作用
も期待できます。

脳卒中、動脈硬化、心臓疾患などの予防になる食材です。

       煮ホタテのにぎり寿司




            ホタテ飯
























      ホタテ丼(山ワサビが嬉しい~)







          ホタテのウニ焼き







          ホタテを使ったイタリアン





       ホタテの丸ごとフライ







        煮ホタテのにぎり






           ホタテのバター醤油焼き








           煮ホタテ   










       ホタテのウニバター焼き












              ホタテのコーンバター焼き



いつも応援ありがとう~
人気ブログランキングへ




にほんブログ村




ブログ王ランキングに参加中!









      







     



プロが選んだ・・・・魚の【のれん街】



最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。