「片付けない子どもほど、発想が豊かで集中力がある」って本当?

美術教室の先生としてたくさんの子どもたちと接していると、

「片付けない子どもほど、発想がユニークであり豊かで、集中力もある」ように感じます。

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それはなぜでしょう?

美術家としての経験と美術教室の先生としての経験を通して考えて見ました。

それでは、「発想力」と「集中力」の二つの力に分けて考えて見ましょう。

まず、「発想力」についてですが・・・

散らかっている物たち、または片付いている物たちの「物」を擬人化して考えて見ましょう。

片付けた状態というのは、それぞれの物がお家に帰った状態です。

「じゃあねえ!僕お家に帰るから!また明日遊ぼうね!」

散らかった状態とは、それぞれの物が学校や会社に行って、運動場で遊びまわったり、新しい話題を持ち寄りコミュニケーションをしている状態です。

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片付いた状態では思いがけない出会いが起こりません。散らかった状態には、新しい出会いがあり新しい関係が生まれます。

思いがけない出会いこそ、想像力の原動力となるわけですね。

せっかく買ってあげたおもちゃで全然遊ばない。

「子どもがとっても欲しがるから買ったのに、全然遊ばない!高かったのにもったいないわ!」ということありませんか?

それって、片付けるのがめんどくさいからかもしれませんよ。

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ちゃんと片付けると、まず出すのもめんどくさいです。一から遊び直しですからね(笑)。

そして、遊んだ後の片付けはもっとめんどくさい。

だから、子供は片付けのめんどくさいおもちゃでは遊ばなくなるのです。

DSなどのゲームの方が出すのも楽で片付けも楽だから、そっちに手が伸びるのもうなづけます。

ドールハウスやLEGOなどは、ちゃんと片付けさせない方がイイと思いますよ!

片付けるのも出すのもめんどくさいですからね。

発想を楽しむ時間よりも、片付けたり・箱から引っ張り出したりするのにエネルギーを使っちゃいます。

そのエネルギーも時間も想像力を味わう時間に使いたいというのが私の考えです。

そして、「せっかく作ったその状態を残しておきたい」という子どもの気持ちを汲み取ってあげたいです。

たとえと満足のいくものが作れなかったとしても、それはだんだんイイものへ発展していく途中の状態です。

美術家が一つの作品を作り上げている途中の段階と同じです。

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美術家の制作のように、子どもの中での遊びはその日で完結するのではなく連続しているのです。

または友達と「明日もまた遊ぼうね!」と約束するように・・・

子どもたちにとってはおもちゃとの関わりも「明日もまた遊ぼうね!」と継続されているのです。

ちゃんと片付けると、次の関わりや発展も、そして想像力も途切れてしまい残念なんです。

「発想がユニークで豊かな子どもに育てるには、むしろしっかり片付けさせない方がいい!」というのが私のオススメです。

次に、「集中力」についてです・・・

美術教室での制作を見ていると、机の上にクレヨンを散らかしたままで制作している子どもがたくさんいます。

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制作に夢中すぎて、いちいちクレヨンをしまうのが煩わしいのです。

どうせすぐにまた使うから、手の届きやすいところに置いてあるのです。

大人が料理を作る時もそんな感じじゃないでしょうか?

美術家なら身を以て実感していることでしょう。

色を変えるたびに油絵の具のついた筆を筆洗器で洗っていては、目の前の作品に集中できません。

集中が途切れてしまうのです。

制作に夢中になっているときは、筆なんて洗ってられないんです。片付けできないんです。

右脳にスイッチが入っていると発散型知能が働き、整理整頓できないんですよ。

大人は子どもたちに、「もったいないから絵の具は使う分だけだしなさい。」と言いますが・・

プロの画家は、あとで集中が途切れないようにあらかじめ十分な量の絵の具をパレットに並べてから描き始めるのです。

「赤と黄色を混ぜたい」と言葉にしてしまうと左脳(言葉は左脳が司っていると言われています)が働きます。

描くのは右脳ですから、言葉になどいちいち直してはいられません。

目の前に出ている色を言葉に直さずに直感的に扱う必要があります。

だから、子どもたちは集中するとクレヨンを画用紙の上に転がしたままにするのです。

それでイイのです。

レッスン終了後に、ちゃんとクレヨンをケースに戻してあげればイイのです。

とはいえ、「発想力」と「集中力」を育むためとはいえ、散らかしっぱなしじゃあ困りますよね。

大人の感覚と子どもの感覚では、「ちゃんと片付けた」というイメージがそもそも違います。

大人の感覚での「ちゃんと片付けなさい」に子どもを押し込んでしまうと、子どもの能力まで押し込んでしまうかもしれません。

子どもが発する、「ちゃんと片付けたもん!」という時の状態を見て見てください。

子どもにとっては、その状態が「ちゃんと片付けた」イメージなんだと思います。

あとは、親子とはいえ、お互いに別の人格ですから、歩み寄り(妥協点)をする必要があります。

お互いに、相手の言い分に歩み寄って・・

最後は、「まあいいか!」と認めてあげるといいのではないでしょうか。

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PROFILE

屋嘉部 正人
屋嘉部 正人芸術による教育の会GM
沖縄生まれの大阪育ちの千葉県野田市在住
多摩美術大学絵画学科油画専攻卒業
横浜美術大学絵画コース非常勤講師

大学四年生から芸術による教育の会で美術教室教師としてアルバイトを始め、大学卒業とともに同会に入社。

美術家として個展やグループ展など多数発表を続け、新制作協会に所属。

50歳を機に人生をリセット
・右利きを辞めて左利きとして生まれ変わる
・やりたくてやらなかったことを全てやる
52歳で新制作協会会員を退会
53歳でこれだけはやめられない一番好きなお酒をやめる
・芸術による教育を全国に広める伝道師として芸術による教育の会GMとなる
・「紙コップのインスタレーション」を各地で実施。