我慢の臨界点

 

日常は嫉妬よりも不満だらけで

余裕を失くせば仕方ない尽くめ

手短に手を抜ける限りを探して

皺寄せを回す間に平常を忘れる

遺棄する親しい仲にも礼儀あり

気付くだけでは歯止めが利かず

刻々と対応の杜撰化は止まらず

律する力に欠けて立て直せない

引き締め時を見失って暴走して

水面下で愛は当てに掏り替わり

楽をする為の依存に移り変わる

抜け落ちる思い遣りに気付かず

好き放題の我侭に成り下がって

戸惑えば放り出して被害者ぶり

躊躇えば逃げ出して擦り付ける

甘えて頼り切りまでずり下がり

慣れ際に当たり前に引き上がる

弱い皮を被って自分勝手に生き

図々しく何もかも全て人任せで

誤りの度が過ぎたら過ちになる

溢れ出る欲望の権化と化したら

役立たずが容赦なく扱き使って

名ばかりの愛の鞭が重宝される

大いに天秤が傾いて支え合えず

文句の一つでは足りなくなって

膨張の一途を辿って募り続ける

無理な我慢の臨界点を超えると

抑えの利かない恨み辛み根性で

物の見方が歪んで善が悪に覆る

当てになるのは檔でもあるから

愛し合いは憎み合いに移り果て

願い下げの過去の行為に塗れる

一線を越えて失う連鎖は続いて

後から戻らない過去に魘される