死神と自由

ネオンライトが煌めく夜の中
大きな刃を持った死神が
闇に紛れ込んで移動する
人間は周囲の影響に翻弄される中
怒りは怒りを弱さは弱さを呼び
伝染し連鎖する感情に振り回され
七色に変わる心は美しくも醜い
響き渡るだったら自分だっての中
傷に塗れるような自由を欲しがり
問われてる物が何かに気付けない
現在と言う中に生きながら
理由を欲しがり立ち止まる
考えなかった過去にある訳もない
現在に顧みて生み出す理由
運命が有り得ない光景を見せる中
一つの確信は容易く打ち砕かれる
分かり切っているつもりの事ほど
分かってなんていなかったりする
時花は咲き乱れて萎え枯れるも
惨めで無様な有様も厭わないで
暴かれた罪に揺れ動いて逃げる
例え分かっていても選び切れない
歪んで流れる時の中を生き続け
気付いた刻には流れ過ぎている
時の狭間に見え隠れする理由を
自分の意思で認められなくなる
暗闇の中で死神は呟く
その人間の弱き心を斬り続ける
誰もが時は平等の中で心は移ろい
影に潜んで死神が見詰める先で
夜道を黒猫が呆れるような目で
人々を見ながら自由気侭に歩く
猫の方が賢いのかも知れないな
そう言うと死神は刃を構え闇に消える