忘却の罪

忘却の罪に人々は眼を背けて
忘れ去られる哀しみが舞う中
仕方ない事と云いさえすれば
全てが済むかのような世界で
反射的に飛び出したセリフに
顔面に迫り来る鉄拳に慄く中
声も失う紅い一撃が炸裂して
体より心に外傷を負わされる
どんな横暴すらも罷り通る中
傷付いた心に癒やしなどなく
咎を犯さざるを得ない弱さに
過去を隠滅した譴責が襲う中
眼前に暴言を放ってる最中に
音の暴言が飛ばされ蒼褪める
決死の覚悟で背き捻り潰され
締めの極みへ叩き堕とされて
締め尽くされ狭過ぎる檻の中
心の行き場がなく悶える日々
自分の中に生まれ出す存在に
動揺と推測が脳裏を駆け巡る
手に握った希望は掻っ攫われ
鮮やかに奪って舞い飛ぶ人々
亡い存在と黒き名誉との大差
戦慄くような事実は伏せられ
暗い世界を焼き尽くす劫火で
浄化の為に消し去られる日々
苦痛に満ち溢れる現実の中で
少ない歓びに浮かれていたら
自在に速度を変更する秒針に
早くも惨めへと堕とされる中
限りなく一刻みが遅いのにも
刻一刻と止まる事ない秒針は
笑顔の楽しさに包まれたなら
途端に速度を一気に上げる物