宇治橋から冬至前日のご来光を遙拝する〜2016冬至伊勢行(3)←(承前)
内宮前から県道12号伊勢南勢線を車で45分ほど進み、剣峠(つるぎとうげ:標高343m)へと到着しました。
峠を越えた所に駐車できる広場があります。
ここへ至るまでには、山中で道幅がかなり狭小となって、落石や木の枝も転がっており、沿道にお住まいやお仕事される方々の対向車もありましたので、相当に用心深い運転が必要でした。
そこで、内宮前から剣峠までの経路↓を掲載してみます。
神路山の中を、五十鈴川上流に沿って伊勢南勢線は続いています。
剣峠石標の裏側から、南方に広がる南勢の五ヶ所浦と五ヶ所湾の方を望みます。
これは、私たちのやって来た方向。
切り通しの先に見えるピークが剣峠となります。
こして見ると、手前左手の広場前で道幅が広がっていますから、それなりに整備された県道のようですけれど、まさに剣峠の辺りは↓こんな感じで、車が1台通行するだけで一杯一杯なのが実情です(苦笑)
そしてこちらは、これから進む南勢方面への下り道。
これを見て、ようやく普通の道路になった様子ですから安堵しました。
剣峠を紹介するポーズのサチエ。
かなり疲れた様子が痛々しくもあります…
ここまでの道中で何度か車から降りて、目の前に転がった落石や大きな枝を取り払ったり、対向車と鉢合わせになるとバックを誘導したり大変でしたから、もうグッタリな様子です(泣)
剣 峠
明治二十三年、伊勢へ通じる近道としてできた。
剣峠は「椿峠」の呼び名もあり、椿の純林があることでも知られている。
この峠道は五ヶ所街道とも呼ばれ、伊勢神宮に参る信仰の道でもあり、土地の人々が海山の幸を伊勢の町へ売りにいく生活の道であった。
古くは峠に茶屋もあり、徒歩や馬で往来する人々でにぎわったようだ。
伊勢から来て、この峠から熊野灘を見た文人は、殊に興をそそられたらしく、多くの作品にとりあげられているが、 作家で詩人としても知られている足立巻一はここへ 立った時の感興を「剣峠」と題し、その中で次のようにのべている。
剣峠というのは
若い荒神が天から舞おりてきて
剣を岩に突き立てて
霧とともに消えさったからだ。
とゆう。
(以下略)(「響}第十八号より)
広場から南の方向、南勢方面を展望します。
先ずは神路山の向こうで雲に隠れた太陽の様子。
時刻は08:50ごろ。
今度は視線を少し右へ移すと、山波の先に五ヶ所湾、その向こうには太平洋が望めました。
望遠を使って、五ヶ所湾を見てみます。
五ヶ所湾(ごかしょわん)は三重県度会郡南伊勢町にある湾。田曽岬と止の鼻が湾口を成し、湾最奥部に町の中心集落の五ヶ所浦がある。 その地形から楓江(ふうこう)の異名を持つ。現地の堤防には「伊勢の南玄関」と表記されている。
広場の西方には、神路山のひとつ、その尾根が神宮林の南境界線となる八祢冝山(はねぎやま:標高422m)への登山口があります。
案内板のアップ。
丸い小さな凹みが沢山ありますけれど、これはもしかしたら、サバイバルゲームのエアガンなどで標的にされてしまったんでしょうか…
道の奥にも案内板がありました。
なかなか良い感じの山道でしたから、いつか、登ってみたいなと思います。
そして広場の東方に、こちらも八祢冝山と同じく、その尾根が神宮林の南境界線となる志摩市最高峰の京路山(きょうろざん;標高414m)登山口があります。
案内板をアップ。
こちらは、標的にされた形跡はありません(笑)
こちらも良い感じの山道です。
これらの山は宮域の境界となっており、尾根道の北側は原生林に近い神宮林のため許可なく立ち入りはできませんけれど、南側は里山で、その違いを眺めながら歩けるとのことです。
ゲンキ3ネット/神宮林の境界を歩く~八禰宜山と剣峠と京路山~
そして、これら山の北側一帯が立入禁止の神宮林ということから、内宮前よりこの剣峠までの県道12号線沿いでは、勝手に道を外れてウロウロ歩き回ってはいけません、ということですね。
これは、島路山(しまじやま)を五十鈴川支流の島路川に沿って抜ける伊勢道路でも同じことですから、私を含め、皆さんも気をつけましょう(苦笑)
登山口探索しているところをサチエに撮られました。
何だかダルマさんのようです(苦笑)
広場の北端に、『十五夜お月さん』『七つの子』『赤い靴』『青い眼の人形』『シャボン玉』など、童謡作詞家として名高い野口雨情の石碑が建てられています。
神路山越え
また来ておくれ
乙女椿の
咲く頃に雨情 東道人書
・・野口雨情詩の細道
・昭和十一年七月、雨情はこヽ南勢の地に遊び、各地の風物を詠んで「五ケ所湾小唄」を作詩した。文化協会はこの古き良き文化を後世に伝えようと、南勢町ふるさと創生事業の一環として、共々この地に一節を刻み詩の細道の一つとするものである。
・平成三年十月吉日
・・南勢町 文化協会 切原区 建之
野口雨情石碑の向かって左横には、小次郎池なるものもありました。
・小次郎池
佐々木小次郎が山犬を切った刀を洗ったと言われています
中央の石は巌流島を表しています
・切原老人会
すると、いきなりサチエが巌流島へ飛び乗りました〜(・O・;
コラコラ、そこ巌流島やねんで〜〜、とたしなめると、どうやら赤い金魚が何尾か泳いでいたそうで、それを確かめたかったそうです(泣笑)
まあ、そんなことで元気を取り戻してくれるなら、と笑って見てるしかありませんでしたけれど…
そろそろ次へ出発ということで、もう一度、五ヶ所湾の方を望みます。
薄暗かった天気が、少し明るくなって来たような…
望遠で見てみました。
五ヶ所湾に浮かんでいる島は、葛島です。
葛島なら
回れば一里
海女の貝採り
船で見る・雨情
そして県道を、南伊勢町方面へと下って行きます。
(つづく)→ 雨乞の聖地に花と咲く切原の白滝〜2016冬至伊勢行(5)