ペットボトルのリサイクルはNG! リユースがエコです


ペットボトルのリサイクルは、「ほとんど行われていない」と言っても、言い過ぎではないと思います。歯切れの悪い表現をしたわけは、ペットボトルのリサイクル率に関するデータが、行政からほとんど公表されていないためです。

ペットボトルのリサイクルが進んでいるならば、行政も積極的にデータを公表するはずです。合理的に考えて、データが公表されないということは、あまりリサイクルをしていないと考えてよいだろうと思うのです。

今のリサイクル制度では、業者がペットボトルを潰して四角形の塊にし、それを行政の施設で重さを量り、その重さに応じたお金をもらいます。その額は、なんと年間5,000億円、国民1人当たりで年間5,000円の負担です。われわれの税金が、これだけ業者に流れています。

それで業者がちゃんとリサイクルしているのか・・・。それがかなり怪しいというわけです。行政の施設で重さを量った後で産廃施設に埋めてしまう事例や、細かく砕いて外国に燃料として売ってしまう事例なども発覚しています。お金だけもらって、リサイクルしていない業者が現に存在しているのです。

ペットボトルを本当にリサイクルして別の製品をつくろうとしたら、かなりの手間とコストがかかります。1本のペットボトルを新しく作る(第1次製品)には石油80gが必要ですが、1本のリサイクル・ペットボトルを作るには石油が380gも必要です。

ですからリサイクル製品の値段は、必然的に高くなってしまいます。高い製品は売れません。リサイクル製品だからといっても、第1次製品の4~5倍の値段がついたら、買わないでしょう。そんな売れない製品を業者が作るはずがないのです。

このようにペットボトルのリサイクル制度は、初めから成立しないようになっているのです。

私の勝手な推測ですが、たぶんペットボトル製造業者の戦略に行政が乗せられて、リサイクル制度ができたのではないでしょうか。そう思う理由は、リサイクル制度が始まる前よりも、始まった後の方がペットボトルの生産量が爆発的に増えているからです。

制度が始まる前は年間15万t、制度が始まってからは年間55万tのペットボトルが生産されています。むろん、リサイクル製品のペットボトルではなく、新しく石油から作った第1次製品が年間55万tです。

「ペットボトルのリサイクルは良いことだ」という意識を国民に刷り込んでしまえば、空になったペットボトルは直ちにリサイクルへ回そうとします。そしてまた新しいペットボトル飲料を買い、飲み終わったらリサイクルに回し、また新しいペットボトル飲料を買い・・・と、ペットボトルの消費量が拡大するのです。

本来、ペットボトルは1回だけでなく何回も使用できます。私は自宅で緑茶や麦茶などをつくり、それをペットボトルに入れて持ち歩いています。リサイクル(Recycle、再循環)ではなく、リユース (Reuse、再利用)です。1週間くらいは十分に使えます。それ以上に長い期間になると茶渋などで汚くなるので、捨てています。

こうやって国民が何回もペットボトルを使えば、ペットボトルの消費量はかなり減ります。これではペットボトル製造業者が困るので、「リサイクルは良いことだ」と煽っているように感じるのです。

重い水筒などを持ち歩くより、ペットボトルのほうが軽いです。また、軽いわりには丈夫です。ペットボトルはリサイクルよりもリユースの方が良いのです。

このような使い方をすればペットボトルの消費量も減り、石油の節約になります。ぜひ、利権者の扇動に乗せられないよう、賢いエコ生活をしてください。


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