財務省が森友文書を書き換えしたのだから、財務省を批判すればいいだけ


財務省が学校法人「森友学園」への国有地売却に関する決裁文書を書き換えたことで、内閣支持率が低下したそうです。

支持率急落、安倍政権に衝撃=憲法改正・総裁選に暗雲

時事通信の世論調査で内閣支持率が3割台に急落し、安倍政権に衝撃が走った。学校法人「森友学園」をめぐる財務省の決裁文書改ざんが影響したのは明らかで、政権は危機感を募らせる。しかし、信頼回復への手掛かりは見えず、安倍晋三首相が悲願とする憲法改正論議や秋の自民党総裁選の行方に暗雲が垂れ込めている。

確かに、どんな組織でも、組織の構成員が不祥事を起こせば、組織の長が責任に問われます。そういう意味では、財務省に不祥事があれば、最終的には行政の長である首相にも責任があります。安倍内閣の支持率が下がるのも分かります。しかし、冷静に考えて、それは行き過ぎた批判です。公文書を書き換えたのは財務省なのだから、財務省が批判されればいいだけです。

書き換えられた公文書は下記で全文ダウンロードできます。

書き換え公表なぜ遅れた?これまでの経緯
(ページ下にPDFダウンロードあり)

じっくり読んでみました。率直な感想は「なぜ書き換えたの?」ということです。ぼくの同窓生も今では官僚の幹部クラスになっているやつが何人かいますので、この件について聞いてみたら、同じ意見でした。

そもそも、今回問題になっている文書は上司の印を直接もらうものではなく、その決済を受けるための補助資料・添付文書です。つまり、必ずしも付けなければならないものではありません。それにもかかわらず膨大な量の文書になっています。

友人の官僚いわく、「近畿財務局の担当者も必死だったんだな」ということ。要は、こういうことです。近畿財務局は、詐欺師やヤクザのような籠池氏を相手に辟易していたのです。政治家などの名前を出して、「俺にはこんなすごいバックがいるんだぞ」と脅しのようなことをしていたわけです。むろん、籠池氏に名前を出された人たちも被害者です。籠池氏が無理やり接点をつくり、その接点を勝手に交渉の材料として使っていただけです。

近畿財務局としては、「われらは籠池氏にこんなことをいって脅されたけど、それに屈することなく、彼の要求にはゼロ回答で通した」ということを示すために、あのような詳しい文書を添付したのです。自分たちは行政として公正な仕事をしたという証しの文書なのです。

だから、「なぜ書き換えたの?」と思うわけです。書き換えないほうが、自分たちの公正さを証明できるのに。そんな彼らが書き換えた理由は、下記のとおりです。

文書書き換え、理財局が指示…佐川答弁に合わせ

当時同省理財局長だった佐川宣寿・前国税庁長官の答弁と整合性を取るため、学園との価格の事前交渉をうかがわせる記述や、複数の国会議員の働きかけなどの記載が削除された。
(中略)
財務省は、書き換えは理財局の指示により、理財局と近畿財務局の一部の職員により行われたと説明。麻生氏は12日、「書き換えは、最終責任者が(当時の)理財局長の佐川氏ということになる」と記者団に語った。

なぜ佐川氏が事実と異なる国会答弁をしたのかは現時点では分かりませんが(そのうち国会で本人が追及されるでしょう)、ともかくそんなことを言ってしまったものだから、その答弁に合わせるために、近畿財務局に書き換えをさせたということです。近畿財務局からすれば、憤懣やるかたないと思います。自殺した職員もいるといいます。自殺の動機は定かではありませんが、書き換え問題と全く関係ないということはありますまい。

いずれにせよ、この問題は財務省内の問題であって、安倍政権に直接の非はありません。それなのに、あたかも安倍政権に問題があるかのような、印象操作に近い報道にはあきれます。グロテスクな倒閣運動です。こういう手法に乗せられてはいけません。(首相や政権に)問題がないことを問題があるように報道するので、読むときにも注意が必要です。最近の報道は中立公正なものが皆無といっていいので、メディアリテラシーを持って接しましょう。

取りあえず、安倍首相には財務省を解体してほしいです。こんな組織に、われわれの大事な税金を任せるわけにはいきません。


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