名曲百選第三章(98)この道や 行く人なしに 秋の暮れ | 日々の生活(くらし)に音楽を♪

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俺の初恋はRock'n' Roll 俺の傍らには何時も音楽があった。

 

 

 

夕方、落ち葉が敷き詰める道を歩いていたら、芭蕉の句を思い出しました。

 

 

”この道や 行く人なしに 秋の暮れ”

 

秋の夕暮れは、ただでさえ寂しさを感じるもの・・・

俳諧の高みを目指し孤独な道を一人歩き続けた芭蕉・・・

秋の夕暮れの道に自分を心中をダブらせた素敵な句だと思います。

 

 

物思いに耽る秋の夜長、ふと昔の恋を思い出したりします。

 

駅/竹内まりや

 

竹内まりやさんの曲の中でも とても人気がある、代表的な曲ですね。

元々は 中森明菜さんの為に書いた曲で、中森明菜さんが歌ったものを聴いた達郎さんが、この曲の解釈のしかたのひどさに激しく怒ったそうです。

それがきっかけとなり、まりやさんにセルフカバーを勧め、

まりやさんのバージョンが生まれたわけです。

 

マイナー調の切ないメロディに切ない歌詞も秀逸で心に沁みる曲です。

まりやさんと言えば、懐かしい洋楽のポップスの影響を受け意識したような曲をご自身で作り歌ってましたが、この曲は 明菜さんを意識されたのか、歌謡曲色の強い作品になっていると思います。

 

駅で見かけた昔の恋人、高まる鼓動、震える胸、蘇る感情、胸に溢れる色んな想い、2年の時の流れ、ドラマを感じさせるような愛する事の哀しさを歌った名曲です。

 
そして、いわくつきの明菜バージョン。

 

駅/中森明菜

 

 

達郎さんが激しく怒るほど悪いとは私は思いませんが、とにかく暗いですね。

囁くような歌声、今にも消えいってしまいそうな儚さを感じます。

歌の感情の込め方は、相変わらず凄いですね。

これぞ 明菜 ワールド。

 

 
見覚えのある レインコート
黄昏の駅で 胸が震えた
はやい足どり まぎれもなく
昔愛してた あの人なのね
懐かしさの一歩手前で
こみあげる 苦い思い出に
言葉がとても見つからないわ
あなたがいなくても こうして
元気で暮らしていることを
さり気なく 告げたかったのに……
 
二年の時が 変えたものは
彼のまなざしと 私のこの髪
それぞれに待つ人のもとへ
戻ってゆくのね 気づきもせずに
ひとつ隣の車両に乗り
うつむく横顔 見ていたら
思わず涙 あふれてきそう
今になってあなたの気持ち
初めてわかるの 痛いほど
私だけ 愛してたことも
 
ラッシュの人波にのまれて
消えてゆく 後ろ姿が
やけに哀しく 心に残る
改札口を出る頃には
雨もやみかけた この街に
ありふれた夜がやって来る
 
 
今回は、竹内まりやさんと中森明菜さんの 『駅』 をお届けいたしました。
 
改札口を出る頃には
雨もやみかけた この街に
ありふれた夜がやって来る
 
駅で昔の恋人を見かけ色んな感情が蘇り胸に溢れたが、改札口を出たら雨もやみかけ、またありふれた普通の日常に戻ってゆく・・・
この最後の締めが巧みですし いいですね。