名曲百選第三章(59)冷たい水の中でも雪に閉ざされた地面の下でも、みんな春を待って生きている | 日々の生活(くらし)に音楽を♪

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俺の初恋はRock'n' Roll 俺の傍らには何時も音楽があった。



先日 天気が良かったので、今年初めて いつもの公園に行ってみました。


公園内は雪が積もっていて足跡もなく、私の歩く足跡だけが刻まれて行きます。


冷たい空気の中で全ての物が寝静まっているような音の無い静かな時が過ぎて行きます。
でもたしかに、凍るような冷たい水の中にも、雪に覆われた地面の下にも生き物達は生きています。

ふと桜の木の枝を見上げたら、花芽がもうかなり膨らんでいました。


春は、確実に近づいているんですね。

受験生の学生さん、寒い冬をじっと耐えている動物や植物たち、そして、皆さんも私も。
春はそこまで来ています、あと少しの辛抱です、ファイト!

ファイト!/中島みゆき

M-N-F 投稿者 hatukoiwarock

何なのでしょうね。この感動は。
この歌は、流行歌の域を超えていると私は思います。
最初は遠慮がちに呟くように歌う 「ファイト!」 という言葉が、後半に行くに連れどんどん力強さを増していきます。
こういう演出的な歌い方も絶妙です。

7分弱の中に描かれた苦渋に満ちた人間ドラマの数々・・・
よく耳にする 「負けるな」 とか 「頑張れ」 とか、安易な言葉で綺麗事を並べ立てたような、よくあるJ.POPの応援歌とは、明らかに一線を画しています。
この歌には、絶望や挫折や諦め・・・など、苦難に直面した人の心情が描かれています。
ですから、その辺の安易な応援歌とは、深さや重さが全然違います。

弱いながらも必死に人生に立ち向かおうとしている人達へ 「ファイト!」 と歌われるこの歌は、優しく、そして力強く、心に響き渡ります。

ファイト!

あたし中卒やからね 仕事をもらわれへんのやと書いた
女の子の手紙の文字は とがりながらふるえている
ガキのくせにと頬を打たれ 少年たちの眼が年をとる
悔しさを握りしめすぎた こぶしの中 爪が突き刺さる

私 本当は目撃したんです 昨日電車の駅 階段で
ころがり落ちた子供と つきとばした女のうす笑い
私 驚いてしまって 助けもせず叫びもしなかった
ただ恐くて逃げました 私の敵は 私です


ファイト! 闘う君の唄を
闘わない奴等が笑うだろう
ファイト! 冷たい水の中を
ふるえながらのぼってゆけ

暗い水の流れに打たれながら 魚たちのぼってゆく
光ってるのは傷ついてはがれかけた鱗が揺れるから
いっそ水の流れに身を任せ 流れ落ちてしまえば楽なのにね
やせこけて そんなにやせこけて魚たちのぼってゆく

勝つか負けるかそれはわからない それでもとにかく闘いの
出場通知を抱きしめて あいつは海になりました


ファイト! 闘う君の唄を
闘わない奴等が笑うだろう
ファイト! 冷たい水の中を
ふるえながらのぼってゆけ

薄情もんが田舎の町にあと足で砂ばかけるって言われてさ
出てくならおまえの身内も住めんようにしちゃるって言われてさ
うっかり燃やしたことにしてやっぱり燃やせんかったこの切符
あんたに送るけん持っとってよ 滲んだ文字 東京ゆき

ファイト! 闘う君の唄を
闘わない奴等が笑うだろう
ファイト! 冷たい水の中を
ふるえながらのぼってゆけ


あたし男だったらよかったわ 力ずくで男の思うままに
ならずにすんだかもしれないだけ あたし男に生まれればよかったわ

ああ 小魚たちの群れきらきらと 海の中の国境を越えてゆく
諦めという名の鎖を 身をよじってほどいてゆく

ファイト! 闘う君の唄を
闘わない奴等が笑うだろう
ファイト! 冷たい水の中を
ふるえながらのぼってゆけ

ファイト! 闘う君の唄を
闘わない奴等が笑うだろう
ファイト! 冷たい水の中を
ふるえながらのぼってゆけ

ファイト!


今回は、中島みゆきさんの 『ファイト!』 をお届けいたしました。
みゆきさんのラジオ番組に寄せられたリスナーの手紙から生まれた奇跡の名曲。
震えながらでも、泣きながらでも、のぼって行こうとする意志が大切なんですよね。
この歌に出逢えた事は、私にとって大きな幸せです。