小さな旅#3 伊豆 汐見荘で 胃袋解放したのですよ | おぐりん呑み旅 ひとり旅

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一人旅…。
それは 大切な時間
切符を持って 列車に乗れば
昨日までの
自分はちょっとお休み…
そう 私は旅人…
素敵な出会いを求めて…。





湾曲した海岸線が
山の彼方に消えて行く
野天温泉から宿までの道のり

耳に届くのは
白く砕ける波音と
素足に履いた
サンダルの足音

湯で火照った
左の頬に
秋の海風が
強く弱く
曖昧に吹き抜けて行きます

ふと 立ち止まって見る
誰も居ない
秋の海
日常から旅立った
証が 其処に 静かに佇んで居ました…

さてさて 黄昏ている場合では
有りませんね
早速 食事編と参りましょう!

私にとって
速効性が有り
一番の温泉の効能と言えば
一口目のビールで喉を唸らせる回数が
数回増える事と
その後に頂くご飯が 
格段に美味くなっちゃうと
言う事じゃないでしょうか!
(其処の貴方も同意見とお見受け致します)

と言う事で
緻密な旅人は
前日からの腹六分目に晩酌少々…
そして黒根岩風呂で
空腹と軽い枯渇状態にさせて頂きました!
旅で食事は
絶対に しくじりたく有りません
よって 此処まで 私 完璧に仕上げましたよ!

さて温泉からの
怒涛の食事…
とその前に

慌てず 冷静になって
この宿 
汐見荘について
少しご説明を致します
(またまた お預けしちゃって申し訳有りません)

部屋数 5室
北川漁港に面した海側の4室と、山側の1室があります。いずれも純和風の落ち着いた室内で、エアコン、ウォッシュ機能の付いたトイレを完備しています。

宿泊料金
おひとり様14,000円~16,000円を基本としておりますが、ご予算に応じておりますのでご相談ください。なお、食事の内容やシーズンによって変わることもございます。
汐見荘HPより抜粋

一人旅も以前程
肩身の狭い思いをする経験も
少なくなりましたが
其れでも 中々理想のお宿には
辿り着けないものですね

繁忙期には泊まれないのは
仕方が無い事かも知れませんが
余裕のある通常期でも
料金の割り増しに加え
海辺なのに 山側に通されたり
更にはトイレ共同…
此れは 酒呑みには堪えるんですよね

料理も 一人になると
見晴らしもない暗い
閑散とした静かな食事処に
ポツンと座らされ
取り敢えず始めに頂く
手持ち無沙汰で頂くお酒も
何処か 味気なく感じでしまいますね

隣のテーブルに運ばれていく
舟盛りと見比べて
豪華さに欠く 一人用のお造り…
割り増し料金ですよ 此方は!
と 毒を吐きたくなってしまいます

そう言う訳で
一人旅の宿探しは
今だに苦労を伴うものなのですね

さて
此処で
汐見荘さんに登場して頂きましょう!
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眺望 海(素敵)
食事 部屋食(安息)
食事内容 ご相談(どうしてくれましょうか 嬉)
追記 お部屋には
        ウオシュレット付きトイレ(安全安心)

ですって…ですってよ‼︎

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私も待ちましたが…
皆さま 大変お待たせ致しました
では 夕食の お料理 運ばせて頂きます…
先ずは 此方が食卓に用意されました

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料理上から時計回りに
舟盛り 茄子の煮浸し よもぎ蕎麦 山葵の茎 明日葉のお浸し

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食卓には私一人なのですが
舟が出ましたよ〜 出航ですよ〜
更には
舟に羽がついてますよ〜
飛行船盛りですよ〜
イサキ トビウオ カツオ ワラサ
ど〜んと朝採れ刺身4点盛り!
テンションが
一気に沸騰致しました!

魚は寝かせても旨い?
いやいや…
朝まで元気に泳いでいた お魚ですよ
折角其れに会いに来たのに
寝てもらっちゃ困りますよ
コリコリ食感が 出会えた証です
迷い箸は許して下さいませ!
因みに 山葵は伊豆産生山葵
この舟は宝船でした。

さあ〜幸せが込み上げて来ましたよ
此処はお酒を地酒に
シフトチェンジして
エンジン全開で行きますよ!

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有頭海老塩焼き

海老は お皿に乗るだけで
絵になりますね!
其の海老ちゃんの熱々の殻を
アッチッチとやりながら
少しづつ 脱がして
頭を残して 素っ裸にしてやりましたよ!
海老の旨味は
他には例えようが有りませんね
ついでに 頭の味噌も
チュウチュしちゃいました!
(多少下品な表現が有りました事 お詫び申し上げます…)

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シラスの茶碗蒸し

金色に光る海に
シラスが泳いでいる様ですね!
因みに この汐見海のシラスは大漁でしたよ!
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カマスの塩焼き

カマスの塩焼き一升飯…
とはよく言ったものですね!
淡白な白身は焼いて
もっちりとした食感に変化し
其処に夏を越えて
脂が乗って来ましたよ
ご主人〜白飯〜
って言いたい所ですが
何と無く 此処はまだまだ
我慢した方が
良さそうですね…
そう 何と無く(ワクワク)

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カマスのフライ

私の隣で揚げてくれたのでは
無いかと思う位
ハフハフ言いながら
歯を降ろすと
サクッと良い音立ててくれますよ!
歯型の残った切れ目からは
白い湯気が 狼煙を上げて居ますね!
ほろっと崩れる白身の芳醇な旨味
其処に
皮目の旨さが 加わって
此れは
ビールに戻りたくなっちゃいますよ〜ご主人!


さあ
真打登場!
伊豆と言えば 金目鯛の煮付け‼︎

実は予約の電話のご相談の件の一つが
此方なのでした。
宿泊日が2日前に迫っていたのにも
拘らず
一人でも食べきれる位の大きさの金目鯛
何とか 探して用意して
おきましょうとの事(ワクワク)
……
……
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金目鯛でかいですよ〜ご主人!
私 既に魚何匹食べているか
わかってますか〜(膝ポンと叩いて 高笑い)

金目鯛は部位によって
美味しさが異なります
よって 一匹丸ごと頂かなくてはなりません
切り身の煮つけなんて論外ですよね
とは言え でかいですよ〜ご主人

浴衣の帯を解いて
さてさて
やっつけますよ〜
私 魚と向かい合うと
無口になるのですが(お客様 お一人の様ですが)
誰かに饒舌に話したくなる旨さです!

濃厚で甘辛いとろりとした煮汁と
ホクホクして脂の乗った白身
ギュッと噛み締めると
歯の間から
その重なり合った旨味が溢れ出すのですよ!

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こらこら 鯛の鯛(縁起物)なんか
ほじくり出して
記念撮影してる場合じゃないですよ
早く 早く
あれを頂かないと!
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硬めに炊いたご飯に
煮汁をかけまして
お箸で軽くかき混ぜて
一気にかっ込むのです

止まらない 止まりませんよ
3杯おかわりしちゃいました!
(3杯目は汁だくで)
私 未来ある高校生の運動部じゃないのですよ
唯の酒呑み旅人ですよ
私の全盛期の食欲を蘇らせてくれた
汐見荘のご主人…もう…恐れ入りました!

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ふっ〜
部屋の窓を開けて
少し潮風を部屋に呼び込み
張ちきれそうな腹を抱えて
窓辺のソファーに沈み
暗い海に 時折輝く白い波頭を
ぼんやり眺めながらの
デザートで締めた夕餉…
其れはもう…至福でしょう!



もうこうなったら
続けて行っちゃいますよ〜
お客様 朝食のご用意出来ましたよ!
何度も言います…
朝採れ魚の宿…
朝も凄い事になってました
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何やら 海苔や玉子等
朝食の定番が並ぶ其の向こうに
お刺身の様なものが
有る様な気がするのですけど…

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鯵のたたき

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下から時計回りに
ヤリイカ イカと魚(失念)のなめろう 鯵

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鰤カマ焼き

此方は
宿からの サービスですって!
昨晩の私の食べっぷりに驚いて
ご主人 思わず用意してくれちゃいました!
太っ腹‼︎
でもご主人〜
くどい様ですが
私 何匹魚食べたか カウントしてますか〜
(お腹ポンポン叩いて 高笑い)

刺身に焼き魚が
こんなにも沢山
目覚めの食卓に並びました…
此れは…朝食の取り揃えじゃ有りませんよね!
此れ食べて 酒呑んで
またまた 布団で
眠りたくなっちゃいますよ〜ご主人!


朝です 一日の始まりですよ
何とも狂おしいのですが 此処は
お酒の代わりに静岡茶にしておきましょうね

焼き魚で ご飯が進む進む!

なめろう 刺身をご飯に乗せて
海鮮丼の出来上がり〜
箸が止まりませんよ!
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地鶏の産みたて新鮮な卵の
玉子かけご飯が
此れまた旨い!
またまた ご飯おかわり…
私の胃袋 どうしちゃったのでしょうか?

尚 食卓に並ぶ朝採れの魚の仕入れですが
宿の目の前で行われる
其の 早朝の定置網漁の水揚げの様子が
間近で見学出来るようです
更に 買う事も出来る様ですよ!

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僅か5部屋の小さな宿
波音が耳に届く 静かな館内では
終始笑顔が絶えない
ご家族が 旅人を迎えてくれます

汐見荘は
旅人が喜ぶ姿を見て
より一層 喜んでくれる…
そんな…心に残る素敵な宿でした。


上りの電車の時刻が迫り
宿を後にすると
駆け足で走り寄る ご家族

暫し 旅の御礼を伝へ
別れを惜しみます

また是非いらっしゃい!
其の声を合図に
駅への長い階段に
少しだけ重くなった
足を向けました

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階段を少し上り
もう一度 海を見たくなり 振り返ると
波頭の煌めきを背に
未だ 此方を見送る姿が映りました

海から吹き上げる風は
秋とは言え
何処か暖かく 心地良く
シャツを揺らします。


長文にも拘らず
最後まで お付き合いくださいまして
有り難うございます。
次回は 旅のおまけ編…
少しだけ 予定して居ります。