髭を剃るとT字カミソリに詰まる 「髭人ブログ」

「口の周りに毛が生える」という呪いを受けたオッサンがファミコンレビューやら小説やら好きな事をほざくしょ―――もないブログ

「スクウェアのトム・ソーヤ」 レビュー (ファミコン)

2018-03-23 21:00:22 | ファミコンレビュー
19世紀に活躍した
小説家「マーク・トウェイン」原作の「トム・ソーヤ―の冒険」を
モチーフにしたゲーム
RPG
開発はスクウェアBチーム
発売はスクウェア

1989年11月30日発売


特徴

・フィールド面
通常のRPGのようなトップビューではなくサイドビュー型で
左右にスクロールし、奥と手前にマップの続きがあって画面切り替わるという方式。
がんばれゴエモン』や『タッチ』『スペランカーII』と同じ方式である。
(『タッチ』と『スペランカーⅡ』でイメージ出来る人いるんだろか?)

お金が存在せず、武器はない。
アイテムは物々交換などで入手していく。

仲間はかなり多く、入れ替えが可能。

セーブは『テント』を使用する事で行われる。


・戦闘面
手前に味方が背にしていて奥に敵がいるという形式。
その奥にいる敵だが豆粒ほど大きさであり遠近感を表していて
区別が大小の2種類ぐらいしか区別がつかない。
(名前も出ない)
こちらからの攻撃時はこちら側のキャラが奥で攻撃し
敵からの攻撃で敵がこちらに向かってくる。
敵がこちらを攻撃する事により接近してくるので敵の種類などの区別がつくのである。

それと、ダメージは小数点以下の表示があるが
現在のHPでは非表示である。


攻撃

キャラ毎に4つコマンドがあり

「たたかう」・・・敵1体を攻撃
「ひっさつ」・・・必殺技の発動
「アイテム」・・・アイテムの使用
「〇〇」・・・キャラ毎に効果が異なる

「ひっさつ」はあらかじめ設定していおく必要があり、
 成功すると読んで字のごとく敵を必ず倒せる。

 「師匠」と「弟子」という物を設定する。
 師匠とは技を仕掛けるキャラ(コマンドを入力する)
 弟子とは技をかける参加メンバーである。0~3人。
 だから弟子はいなくてもいい。
 
 最後は技の名前を入力する事で設定完了。

 技は1ターン目に発動させられない。
 

「〇〇」について

例、
トム:「にげる」(逃走)
ハック:「パス」(次のターンは攻撃を受けないがこちらも攻撃できない)

このゲームにはレベルと経験値がない。
ただ敵を倒すたびに能力がアップする。
但し、戦闘後に即パワーアップするのではなく
町で休んだり、道中にパンやお弁当を食べた時にパワーアップするのである。

やられた際

「こて・・」

という表記になるのが印象的



あらすじ
ゲーム中のオープニングをそのまま漢字変換

アメリカ合衆国
ミズリ~州
1855年の ある晩


崖からの光景が描かれている。

トム「ここは いったいどこだろう?
川向こうに ある町は
 どこなんだろう?」

エミー「トム 何言ってんのよ
 サウスエ…じゃないの。」

トム「サウス…? 知らないよそんなとこ…」

ジム「海賊の宝があの町の
 どこかに眠っているって 話ですだ」

トム「えっ ほんと? ほんとかい!」

ハック「ジムっ! エミ~っ! 早く来いよ
 出ないと 船が出ちゃうぞっ!」

トム「ハックっ! 俺も行くよ!」

ハック「ゴメン! トム 切符3枚しか
 ないんだ」

エミー「ハック ジム 早く 早くっ!」

トム「待ってくれよ ハックっ ジム
 エミ~……」

「トム! いつまで眠っているんだい。
 さぁ 早く起きるんだよ トム!」

そんな不思議な夢を見たトム。
お宝探しの旅が始まろうとしていた。


点数は30点

良い点
・「トム・ソーヤ」のゲーム


悪い点
・エンカウント率高し
・マップを把握しづらい。
・味方の入れ替えが面倒
・仲間の成長上限
・防御コマンドがない。


良い点の解説
・「トム・ソーヤ」を読んだ事がある人なら

「あのキャラだ!」

とか見つけてテンションが上がるんじゃなかろうか。
ちなみに髭人は未読




悪い点の解説
・エンカウント率高し

 そのままやね。
 戦闘後、数歩歩いたらエンカウントって…
 しかもエンカウント低下する方法がねぇ…

・マップを把握しづらい。

 左右スクロールするフィールドで手前と奥に道があるってのはいいけどさ。
 そのマップも複雑なんだよな。

 例えばAというフィールドに奥側に①、②と2本の道があり
 手前に③と1本の道があるとしよう。

 奥側
 ①に行くとBフィールドに移行するんだけど
 ②に行くとCフィールドが存在。

 Bフィールドにある奥マップに行くと
 Aフィールドの③に接続っていうような非常にわかりにくい構成。

 「夢幻戦士ヴァリス」みたいなもんだが
 あっちはゲーム内地図がアイテムとして存在するのに対し本作はなし
 しかも、本作の場合、森など似たような風景のフィールドが多く
 わかりづらい事この上ない。
 その上、上記のエンカウント率の高さと良い…


・仲間の入れ替えが面倒

 このゲーム、パーティからあふれるぐらいの仲間が出て来る。
 だから入れ替える事が必須なのだが、その仲間は固有の場所にしかいないのだ。

 例えば、
 A町の①地点にいる仲間もいれば
 B町の②地点にいる仲間もいる。

 一々探しに行くのが実に面倒である。
 各キャラの能力もそこにいかなければわからんし…
 一か所で入れ替えが可能なら分かり易くて楽なのに…
 ドラクエ3みたいに『ルイーダの酒場』的な建物。
 トムソーヤなら世代的に『学校』でええやん。
 様々な土地にいる仲間を収容している学校ってのは原作的にはそぐわないか…
 だからと言って『ルーラ』に該当するような町間を瞬間移動する手段はないし
 敵が出ず高速で移動できる『飛行船』みたいな乗り物もない。
 それでいてエンカウント率高いし…
 仲間拾いに行くの大変やねん。
 何か上手く軽減させるような事出来なかったん?

・仲間の成長上限

 各キャラに成長上限が設けられていてしかも一部キャラは低いまま上限を迎えてしまう。
 中盤までは何とか戦力として数えられても後半はあまりにも厳しく
 本作では武器や防具を装備して能力を強化するって事が出来ない為
 いくら好きなキャラであっても
 後半でも戦えるキャラに変えざるをえないってなるのが実情である。
 キャラ差別が著しいなぁ…


・防御コマンドがない

 仲間を入れ替えた時、大抵、パーティ以上の能力を持っているって事は少ない。
 それで育てる必要に駆られるのだが、
 このゲーム、防御コマンドがない上に全体攻撃を基本とする敵がいやがる。
 敵からの攻撃が始まったら避けようがないのだ。
 そして、このゲームは回復手段が乏しい。
 道具では基本的に全体全回復の「べんとう」か「パン」しかないのだ。
 個別回復するような物はない。
 そしてその「べんとう」「パン」も複数をすぐに調達できる代物ではない上に
 戦闘中は使用不可。




他のRPGとは一線を画したゲームってな所であるが
ハッキリ言ってゲーム的面白さには噛みあってないのが悲しい所。
事実、本作の似たようなシステムのRPGやシステムを進化させたような
RPGが出てないもんな。正直失敗やねん。
髭人は基本的に攻略サイトには頼らないが
エンカウント率の高さ、マップの分かりづらさ、戦闘の単調さで
中盤ぐらいで

「もうええわ」

と、攻略サイトにべったりだった。

コミカルな雰囲気とか戦闘での演出、
音楽の良さ辺りが世間的に評価されているようだけどね。
まずRPGで行くのなら
敵を倒して金を稼いで武器やら防具を買って強化する楽しみは必要だわ。
本作はあまりにもなさすぎる。


そうだ。
本作が何故メーカー名を入れた「スクウェアのトム・ソーヤ」なんて表記するのかというと
本作発売前に『セタ』から「トムソーヤーの冒険」ってアクションゲームが出ていたのだ。
名前がかぶる訳にはいかないし、
別メーカーだしシステムが違うから
「トム・ソーヤの冒険2」って続編扱いにする訳もいかない。
それの苦肉の策という所だろう。

ファミコンで同じものを取り上げていながら
別メーカーのゲームってのは版権ゲーだとある。

「ゴーストバスターズ」
「スターウォーズ」

かな。
「スターウォーズ」は『ナムコ』と『ビクター』の2つがあり、タイトルは一緒。
「ゴーストバスターズ」は『徳間書店』と『HAL研究所』の2つがあり、
後者は「NEW ゴーストバスターズ2」なんて『NEW』を付ける事で
『前作とは別』感を出している。
まぁ…
あのゲームの続編などと思われたらそりゃたまらんわな(苦笑)



本作をちょっとネットで調べてみたら
敵がリセットボタンと同じ処理をする敵がいるようだ。
ちなみに髭人は未経験。
確かにこのソフト、ファミコン中期には
珍しくコントローラでのソフトリセットが可能である。(スタート+セレクトボタン)

「押そうかな」

みたいなことを吐いていた敵がいたからな。
恐らくソイツだろう…
それがどーも誇張したんだか何だかで現在閉鎖された個人のゲームレビューサイトで
セーブデータをも消すという攻撃を持った敵がいたなんてデマが出たらしい…

髭人としてはその件についてノーコメント。
うちも間違いや勘違いを発信している事は多々あるからね~。(よく指摘されるわ…)
とあるゲーム紹介サイトでそのうち、
このブログ記事がデマの発信源みたいな取り扱いを受けるかもしれない…
気を付けたい所ではある。




ここからがネタバレ






















アイテムの効果が分からない物がいくらか出て来る。
(取説には書かれているようだが…)

勲章:このゲーム唯一、戦闘時にHPを回復させるアイテム。味方全員に効果あり
 後半の「長い森」に出て来るクイズ出してくるオッサンに正解する事でもらえる。

ノーヒントなのでスルーする可能性あり…
そんな重要アイテムを…
ってか何で勲章でHP回復?

古い金貨:戦闘中、使用した時に仲間全員を生き返らせる。
 もらえる場所は限られる。
 何で金貨で生き返る?

時計:敵を眠らせる。
 イベント的にゲットする。

クロス:使用者のどれかのパラメータを攻撃力に変換し
 敵全員にダメージ

海賊メダル:魔法を封じる
 ジョーが最初に持っている。


しかし、そう簡単に数を増やせない仕様なのに
イベント入手の戦闘使用回数があるアイテムがあるわな。
「ハト」「変身玉」
FFのエリクサーと同じで使わなかったな~。
折角ボス戦に使おうと思って温存していたら
ボスには効かないってパターンがあったりとか…


『魔法の靴』はもらえなかった。

『ジャック』とかけっこ勝負して勝つともらえるという移動速度上昇アイテム。

「よーいスタート!」

の掛け声もなしに走り出しやがって…
おかげで最初のリードから巻き返せねぇんだよ。タコ。
10回も連続勝負したら根負けして靴をくれるって仕様でええやん。
しかも移動速度上昇ってなんでそんなプレイ快適アイテムをプレイヤーに与えるのを渋るんだよ。
このケチンボ!!


フランクリンの所の3Dダンジョン。
とある部屋で右側には壁が無くて別のマップと接している所があったけどあれは酷い。
他の部屋も見た目的には壁などないのに見えない壁があって先に行けないのだが
そこの部屋のみ壁がなくて隣のマップに行けるって仕様。
実に意地悪そのものなつくりである。

さて、ラスト付近。
『サウスエンド』での化け物屋敷騒動を終えた後
長い森の小屋に捕まっている『ベッキー』を最初の町に送り届けて『ランプ』をもらい
最後の洞窟に行く。

暗くなるので『ランプ』を使い
洞窟途中で小さな崖みたいのがあって渡るのにメンバーに『ハック』が必要。
『ハック』が橋代わりを申し出る。
男塾みたいに、崖の端に手と足で固定して人間橋となるのだ。
その後、一番奥に宝を掘り起こすのに『スコップ』が必要。

宝箱を見つけると

「そこまでだ!ご苦労さん。
 今まで 海賊の宝を
 探させるため わざと逃げたふりを
 していたのさ。

 大人しく 渡せばよし
 さもないと 命はないぞ!」

と言って現れる「インジャン・ジョー」
(この時の1枚絵の色合い怖すぎひん?)

その「インジャン・ジョー」を倒し
宝箱を開けてエンディング


トム「見ろよ これは…」
ハック「時計台の鐘だがやっ!」

この時 後ろに男が 立って
いた事に 誰も 気が付かなかった

やっとの思いで洞穴を 抜け出すと
誰が置いたのか そこには いかだが あった


イカダに乗っている2人、夕暮れ時である。

暫くして ハックが言った。


ハック「なぁ トム このイカダ 誰のだろう?

 なぁ トム フランクリンの声 どこかで
 聞いた事 あるような気が しないか?

 なあ トム 何の為に こんなこと…

 なぁ トム 海賊ビッケと 船長には
 どういう つながりがあるのかなぁ?

 なぁ トム 船長は 昔 海賊で
 そうだ そうに違い…
 トムっ 聞いているのか トム!」

トムは考えていた
つかめそうで つかめないことを

もしかしたら 船長は 冒険が
どれほど 素晴らしい ものか その事を
教えてくれたのかもしれない

目的は 何だっていいんだ 大切なのは
冒険しようとする 自分なのかもしれない

暫くして トムが言った


トム「分からないよ でも…」

ハック「でも なんだい トム?」

トム「でも 何か 嬉しいんだ 本当の宝
 じゃなくても 後悔なんかしないさ!」

ハック「俺もだ!」

スタッフロール。
この時、ゲーム中のキャラなどが出て来る。


終了という運びである。
(他メンバーの会話はない)
エンディングの都合があって『ハック』は必須メンバーなのだ。
ちなみに『ハック』が橋になっている時にスコップで掘る事も出来る。
やめてあげて!
(ただ、掘っても何も出てこない)


だから、このゲームは

「『トム』と『ハック』とその他ゆかいな仲間達」

といった所だろうか?
確かに、髭人はプレイ時、戦力になっていたのは
『トム』と『ハック』だけだったからな。
他は入れ替わりとかで戦力がかなり低下して、強化もあんましてなかったし
足手纏い感が凄かった…

「こて・・」

とコケても基本放置(酷い)




さて多くのサイトでは本作を「良作」なんて評価が多いけど
エンカウント率、道の分かり辛さ、各所への移動など…
ゲームの遊びやすさを重視する髭人としては評価は下がらざるをえない。

ラストはイカダが出て少年の時の冒険感があふれている爽やかなものだったが
髭人としては

「よっしゃ―――!
 クリアだ――――!!
 このゲームもうプレイせんで済む―――!!」

という安堵の気持ちや解放感が強くてエンディングの内容、
全然頭に入ってこなかったもんなぁ~。


ってな訳でファミコンで
「トム・ソーヤ」のゲームは上記の通り出ている2作品の中で
髭人が勧める方を勝手に発表いたしま~す。

ジャンルは違う物を、比較するのは間違いかもしれんが…
髭人は遊びやすさを追求する主義があり、原作を全く知らず
アクション大好き。

よって髭人がオススメするのは!
夢オチ上等の


セタのトムソーヤー」です!!





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2 コメント

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大好きな作品だけど不満点も分かります (マーリン)
2018-11-07 10:07:32
仰る通り原作を知ってると「あ、あのキャラだ!」とテンションが上がりますね
ただどうしても成長上限がネックとなって
最終メンバーが決まってきちゃうんですよね
トムソーヤの冒険の続編のハックルベリーフィンの冒険で主人公を務めたハック、トム、ジムの
3人で冒険したかったんですが
流石にジムは外さざるをえませんでした
残念
そういえば唯一の女性の仲間キャラのエミーは
原作だとチョロッと名前が出た程度で
特に出番らしい出番は無いんですよね
男しかいないのもむさ苦しいんで
ご登場願ったという感じでしょうか

1度仲間にしたキャラをすぐに呼べる手段は
何か欲しかったですね
シンプルに「召集」コマンドとかあれば
良かったかも
これなら学校に通ってない宿無しハックと
トムの家の使用人のジムも問題無く呼べますしね

インジャンジョーは確かに怖いですね(笑)
ただ原作だとベッキーと一緒に洞窟に遊びに来た
トムを目撃したにも関わらず特に何もせずに
見逃すという奇妙な一面を持っている男です
かつてトムに殺害計画を邪魔されているので
インジャンジョーからすればトムを恨む理由は
あるはずなんですが…
悪党ながらに子供は殺さないというポリシーが
あったのかも知れませんね
ゲームの方では完全に殺しにかかってきてますが

余談ですが原作だと洞窟で迷子になって
帰りが遅くなったトムとベッキーを心配した
大人達が洞窟の入り口を閉じてしまいます
大分日にちが経ってからその事を知ったトムが
「中にはまだインジャンジョーが!」と
言ったので慌てて大人達は入り口を開けて
探索をしますが既にインジャンジョーは
生き絶えていました
飢餓のあまり持ってきてたロウソクを食べて
必死に飢えを凌ごうとした痕跡もあった様です

この悲痛過ぎる最期もあってかインジャンジョーの事は個人的に嫌いになれないんですよね
ラスボスとしてトムにリベンジする機会が
与えられた事で少しは報われたのか…な?

ゲームも原作も好きなので文に熱が
入ってしまいました
脱線気味な文に感じたらすいません
それでは長文失礼しました
インジャンジョー怖し (髭人)
2018-11-07 20:36:14
マーリン殿
コメントさんきゅ~です。

髭人としては本作について
あれこれ残念な点が目立ちましたねぇ。
好きなキャラで遊びたかったところです。

「トムソーヤ」の原作をご覧になっておられるのですね。
ならば、思い入れも深かろうと思います。
インジャンジョーは最終的に悲しい最期を迎えておるのですか…

実に興味深い話をお聞かせいただきありがとうございました~。

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