髭を剃るとＴ字カミソリに詰まる　「髭人ブログ」

MSX2での同名ゲームのファミコン移植版
トップビューステルスアクションゲーム
発売はコナミ
１９８７年１２月２２日発売


あらすじ

※ファミコン版のあらすじが見つからなかったのでMSX2版

１９９５年、南アフリカの奥地に英雄であり狂人と言われた一人の傭兵によって
武装要塞国家「OUTER HEAVEN」が作られた。
彼は世界中の傭兵を集め、兵士や兵器を世界へと輸出する。
ある時NATOは
世界的に影響がある殺戮兵器が「OUTER HEAVEN」で開発されていることを知り、
米国軍上層部は「ハイテク特殊部隊「FOXHOUND」の出動を要請。
コードネーム『グレイフォックス』を「OUTER HEAVEN」に潜入させ
兵器の破壊、妨害を命じたが数日後

「メタルギア…」

という無線だけを残して消息を絶った。
事態を重く見た「FOXHOUND」に再び出動を命令、
総司令官の「BIGBOSS」は
新人隊員の「ソリッド・スネーク」を指名し、彼にすべてを託したのだった。


特徴
「ゼルダの伝説」などに見られる画面端に触れると
隣のマップに移動するという方式を取っている。

基本的に敵はこちらに気付いていないので
その間に、敵を倒したり
敵を無視して先に進むという
「ステルス」性が強く出ている。

十字ボタン：移動
Ａボタン：選択した武装の使用
Ｂボタン：パンチ

スタートボタン：ポーズ
セレクトボタン：メニューを開く。
　ブキセンタク　　：Ａボタンで使用する武器を選ぶ
　アイテムセンタク：常時使用するアイテムを選ぶ
　トランシーバ　　：無線を入れる。
　　左右キーでダイヤルを替え、上キーで通信を送る。

アイテムは指定したら常時使用状態となる。



MSX2版では「小島秀夫」氏が監督として携わったが
本作であるファミコン版では触れていないという。
その為

「あれはやらないでください」
「ファミコン版『メタルギア』はクソですよ。クソ」

というような趣旨の発言もしているとの事。


点数は１０点

良い点
・ステルスアクション

悪い点
・序盤長すぎ
・穴の判定
・カード多すぎ
・装備品の組み合わせ
・人質救出しすぎるとうるさい
・ノーヒント多い
・被ダメージアクションなし

良い点の解説

・ステルスアクション

ファミコンでは初なんじゃなかろうか？
MSX2版だと初のステルスアクションって事でギネスに認定されているんだとか…

悪い点
・序盤長すぎ

序盤、タバコ１つで敵地に乗り込む『スネーク』は潔いというか阿呆というか…
パラシュート降下中に、敵に襲われ
装備を入れたバッグを落としたって事にしておくか？
そんなタバコ１つの状態で進んでいくんだけどこれが長い…
基地に潜入してある程度、戦えるぐらいアイテムを入手するまでが遠い。

・穴の判定
落とし穴付近に立つと、穴が広がるんだけどスネークの足が遅いからすぐ落ちる。
判定も微妙で

「まだ落ちてねーだろ！」

って位置で落下判定で死亡。ゲームオーバー。
お前は重度の高所恐怖症かッ！

後、バグみたいなもんだが
落とし穴が完成してからメニュー開いて、それから再開すると穴が閉じているのだが
穴判定は生きており、見た目は床があるのにそこに踏み込むと死ぬ。
フィールドを切り替えるまで穴は実質開いている状態なのだ。
床がある状態で倒れ込むスネーク。

「スパイＶＳスパイ」の地雷にでも引っかかったか？

・カード多すぎ

「カード」というか「カードキー」であるが
見た目同じ扉で何でこんなに種類があるのかってぐらいある。
一々メニュー開いて閉じるのが面倒くせぇ！！

・装備品の組み合わせ

上記カードの多さと絡んでくるのだが…
アイテムは１つしか所持できない。
例えばこんな場面に遭遇したら…

ブシュ～

スネーク「うわっ！毒ガスだ！
　ガスマスクをせねば！」（ガスマスク装着）

歩いていると

スネーク「扉か…鍵がかかっている…」

カバッ！（ガスマスクを外す）

スネーク「うッ！
　は、早く…カードを使って扉を開けねば…
　し、死んでしまう…」

このように、その扉を開けるカードキーを指定するために
わざわざガスマスクを外さねばならないのだ。

現実で例えるのなら
どこかに外出した直後に催してきてしまって
キーホルダーに玄関を開ける鍵と似た別の鍵がいくつもあって

「どれで開くんだ！も、漏れる！！」

ってアタフタするようなものである。
そんな主人公なんて見たい？

カードは複数所持したら一括使用でええやん。
こんな調子だから折角、『段ボール』という
「メタルギア」シリーズをを代表するアイテムの中に入って移動していても
扉の前でカードを選択するために解除を余儀なくされる。
だから『段ボール』など使う気もなくなる。
Ｂボタン、パンチとかいらんからキーボタンに割り振れや！
漢は拳で語るもの…それを捨て去る訳にはいかんって事なんだろうか？
ステルスアクションだぞ。
不意打ちが当然のゲームだろうが！！
漢になりたいのなら端から他のゲームをやらんかい！

・ノーヒント多い

とある森はある道順で進まないとその先に行けないなんて場所があるがノーヒントである。
見た目が同じだから無限回廊なんて思っているとゲームを進められない。
殴ると扉になる壁も存在し、ひたすら壁パンするハメとなるスネーク。
潜入する気あんのか？

・人質救出しすぎるとうるさい
人質を救出していくと階級が上がる。
するとライフや装備品の所持個数が増える。
そして、最高階級に達してから人質を救出すると

ビ～♪

と、酷い音が出る。
単純にバグだろう。

・被ダメージアクションなし
コナミのゲームって大抵、敵にダメージを与えていると
敵が点滅するか、「チュンチュン」と音がしたり
せめて、被ダメージ時にアクションをしたりするもんだが
本作は何のリアクションもない…
特に戦車みたいな大型兵器の場合
色々攻撃してもなかなか破壊出来ないので

「ダメージ与えているのか？
　いないのか？」

という手ごたえがないのである…
首をかしげる一方である。



他にも個人的な不満としては
このゲーム、置いてあるアイテムを取得して部屋から一度出て
再び入るとまた置いてあるのである。

これを繰り返して最大個数まで貯める事が可能なのだ。
だったらよ。一気に現在の最大値でいいじゃねーか。
往復するのが一々面倒くさいんだよッ！！




「！！」

と言えば…
最初の眠る敵

「アー！！ネムイ！！」

『！』を２つも使用しているから
一体コイツは何に怒っているんだろうかと…
というか…渋い顔をして

「もう一杯！」

とか言い出す緑の液体を所望するのかと思ったよ。（ネタ、古ッッ！！）

双眼鏡を使用した時の仕様は何なん？

スネーク「敵を倒したぞ…良し…隣の状況を探ってみるか？」

双眼鏡使用

スネーク「なるほどな…敵はあそこにいるのか…
　よし…進もう」

双眼鏡解除

スネーク「うわッ！」
敵「うわッ！」


敵を倒した後で双眼鏡を使うと、その場の敵が復活しているのである。
敵と遭遇して双方大慌てという状況である。
ドリフか何かか？
敵の配置は悪く即発見される事もある。




MSX2版がどれだけ名作だったかは未プレイの髭人には定かではないが
このファミコン版は「酷い」の一言に尽きる。
まぁでも、このレベルの酷いファミコンゲーはいくつもあったけどね。（苦笑）
後発の「メタルギア」の評価が高い分

「じゃぁ、先祖返りしてみますか」

と、プレイされて

「何コレ！！」
「クソゲーじゃねーか！！」

って折角、眠っていたのに掘り起こされて
酷評されるという意味、可哀想なゲームとも言える。
１２月２２日発売。
クリスマス商戦に間に合わせるために
こんな出来損ないのまま発売せざるをえなかったんじゃなかろうか？


ただこのゲーム、海外では評価されていて
『Snake's Revenge』という続編が出ているのだとか…
マジかよ…
だからこそシリーズのディープなファンもいるのかもしれないが…
まぁリベンジしていい出来になったのなら結果オーライだろう…（多分…）



ちなみにこのゲーム。
パスワード制を採用していて
『１～６』の数字とアルファベット『Ａ～Ｚ』までの３２種
それが２５文字とそこそこの文字数。

入力をミスすると変更する事は不可能。
そして間違えて入力すると一気に全てが消える仕様。
「すすむ」「もどる」「おわり」などの
パスワードの基本的なコマンドがないのだ。
１つ間違えたら全て入力し直しである。

しかも、文字選択のカーソルは本来は左側に「→」が付くのが一般的だが
このゲームは下部に「★」とあまり見られない方式、分かりづら・・・
このゲームのパスワード、極めて入力しづらい！

髭人が提唱する

「パスワード入力を軽んじるゲームに名作無し」

を証明してしまう形となったなぁ…（しみじみ）



ここからがネタバレ

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「メタルギア」って何やねんって話になるが…


『核搭載の重装甲戦車』


だそうだ。
戦車ねぇ…搭載している物はともかく、あんま強そうじゃないわな。
シリーズ化されてるけど、毎回その兵器を巡って
てんやわんやしてんだろうか？

ただ、「メタルギア」は本作には一切出てこない。
破壊するのは制御している「スーパーコンピュータ」だからね。
タイトルの物が出てこないってーのは
「頭脳戦艦ガル」みてーだな。

そして、黒幕であるビッグボスと戦う事になる。
情報攪乱の為に、『スネーク』を潜入させたんだとか…

台詞が勝手に流れやがる。
じっくり読むためにはスタートボタンでポーズをかけにゃならん。
ウゼェ…
どこまでイラつかせれば気が済むんだよ…
このゲーム。

しかし、司令がラスボス…『デッドフォックス』もそんな流れだったな。
発売時期から考えればこの作品を参考にした…って訳じゃないか？


んで「ビッグボス」をロケットランチャーで撃ち殺し、脱出。

そしてエンディング。
MSX2版では倒した「ビッグボス」から無線が入るらしいが本作にはない。

うん。この出来なら完全に倒してしまってええわ。
そして、「スネーク」は無限ループのエレベータに乗ってしまうと
時間切れで脱出失敗


双方大爆発で終わりでええよ。
跡形もなくなるぐらいに…



兵士はきっと本作をプレイしたらこういうのだろう…


「アー！！ヒドイ！！」


あまりの酷さに目も覚めるわ…