1月下旬、バタバタと航空機・レンタカー・ホテル・空港駐車場の予約をし、朝5時半に家を出て鹿児島へ。
鹿児島は二十歳の春に訪れたきり。まずは空港から大隅国一之宮・鹿児島神宮に参拝。御祭神は山幸彦の天津日高彦火火出見尊
(あまつひだかひこほほでみのみこと)と豊玉比売命。ご本殿修理中で貴重な作業も見学できました。
そのあと一路出水市を目指します。今回の旅は、以前何かで見てずっと心に突き刺さっていた映像、それは数えきれないほどのツルが空を乱舞する姿で、日本でここだけのこの時期だけのそんな景色をこの目で見てみたいいうのが目的。
お昼頃出水市ツル観察センターに到着。既に途中から田んぼにツルの姿を見つけてワクワクが止まりません。あの大きな鳥が近くで群れて餌を食べ、時々優雅に羽を広げて飛翔しています。
世界には15種のツルがいて、うち7種がこの出水地方の広大な干拓地で観察されているそうで、10月頃からやって来て12月末から1月にかけてピークになるのだとか。1~2羽のヒナを含めた家族単位で行動しています。特に日本画にもよく描かれるマナヅルは、羽色もフォルムも美しく群れの中でもひときわ目立つ存在。でも、昼間はほとんど下を向いて食べているばかり。
一通り説明を聴いたあと、出水市ツル博物館でさらにツルの生態と地元の保護活動についてお勉強を。
日本一の大鈴がある箱崎八幡神社にもお参り。鈴だけじゃなくツルもビッグです。参道の紅梅は見頃までもう少し。
出水麓武家屋敷群までたどり着いたときには雨がパラパラと。立派な石垣の趣ある武家屋敷が並らんだ道を車でぐるっと一周。
翌日は夜明け前にホテルを出て、再びツル観察センターに向かうと、ツルたちはねぐらから餌場に出てきて活発に動いていました。見上げると白み始めた空に幾つもの列を作って忙しく鳴きながら飛翔しています。何だか夢のよう。
ツル観察センター周辺の荒崎と東干拓地の保護区域をしつこく往復しながら、望遠鏡も望遠カメラも持たないスマホだけの私は、少しでもツルの姿を目に焼き付けておこうと、何度も何度も心の中でシャッターを切るのでした。
本当にずーっと見ていられるけど、ツルたちに別れを告げ、薩摩国一之宮・新田神社へ向かいます。
御祭神は天孫降臨の天津日高彦火瓊瓊杵尊
(あまつほだかひこほのににぎのみこと)。参道の長い石段を上がっていくと、そこは小高い神亀山の山頂。拝殿から50m奥には瓊瓊杵尊がお鎮まりになる可愛山陵
(えのみささぎ)が。
そのあと鹿児島市内にある薩摩藩主島津家の別邸・仙巌園で桜島を眺めながらランチを。食後に広大な大名庭園を散策していると、ドォーンと音がして目の前で桜島が噴火してビックリ。
なかなか最後まで色々感動的な旅でした。
2月1日にはツルたちの北帰行が確認されたという便りが届きました。ありがとう、元気でね。
厳しくも自由な渡り鳥ツル、また会いたい。