トレーナー | 窪田テニス教室

窪田テニス教室

皆さんの技術向上のキッカケぐらいになればと思います。
内容は指導者向けかもしれません。
はじめての方はテーマ欄の「注意事項」をすべて読んでください。


先日、テレビ番組でスポーツトレーナーが指導しているのを見ました。この方は、元陸上選手です。

私は、彼の指導を見ていて違和感を感じました。

それは、サッカー選手に陸上選手の走り方を教えていると思ったからです。

確かに「走る」のは同じですが、状況が違います。

サッカー選手は急な方向転換が必要ということ、それから、足場の違い

サッカーのグランド(芝)は、陸上トラックのように足場が安定していません。サッカーは雨でもプレーすることがあります。雨でゆるくなった天然芝や土のグランド。

「用途や足場が違う状況で、陸上競技のように走れるのか」ということがポイントです。

(私の個人的な意見としては)足場が悪い状況で陸上競技のように走れば、怪我をするでしょう。

足場が悪いと、着地したとき足首の角度はまちまちになります。これは足首に遊び(調整できる余裕)が必要ということです。

足首に遊びを作るには、股関節の可動域が広くなければなりません。ここでの「股関節の可動域」とは、股関節がどの方向にも動くことができることを意味します。前方向だけではダメということ。

股関節の可動域が狭く、足首だけ大きく曲げると捻挫や腱鞘炎になりやすい。足の腱鞘炎は多いですね。

走る速度を保ちながら、股関節の可動域を広くする方法は、身体を前方に少し傾けて低い姿勢でいることです。

「身体が低い=股関節の遊びが大きい=足首の負担を緩和できる」

放送外で、その辺のことを指導していたはずですが(だぶん)、放送内では何もなかった。


で、私が言いたいことは何か。

この番組だけを見たテニス愛好家や(指導法を自分で考えない)テニスコーチは、勘違いしそうです。

「陸上経験のあるトレーナーに指導してもらえれば足が速くなる」「陸上競技の走り方を生徒に教えればいい」と。

実際に、勘違いしているテニスコーチは多いです。

子供のレッスンで走るトレーニングをさせているコーチがいます。子供達のフットワークをよくするために陸上専門のトレーナーを雇っているスクールもありますね。

それらを見ていつも気になることは、腕の動きは考えられてないことです。

「腕の動きを考える」ということは、どういうことか?

テニスでの移動はラケットを持ったままの移動です。普通に走ることはできません。

「ラケットを持っている=腕の動きに制限がかかっている」ということ。

それから、「走った後、又は走りながら」ラケットを振らなければならないということです。

それなのに、なぜ、ラケットを置いて、トレーニングするのか?

「テニスを上手くするために」と本気で考えれば、ラケットを持たせたままフットワークのトレーニングをするはずです。

そして、もっと見落とされているのは、首のポジションです。

テニス、サッカー、バスケットなどのスポーツは移動時、進行方向に顔が向いていないことが多い。

例えば、フォアハンドでボールを追いかけているとき、顔はボールを見るために左肩のほうに向いています。

普通に走るときとは、大きく違います。首の動きは、超重要。

私がフットワークを指導するなら、

生徒にラケットを持たせて、腕の動き、首の動きも必ず教えます。

テニスの場合、これらを考えずに、フットワークを教えることなどできません。

ラケットを持たずに、ただあっちこっち走り回らせるだけでは、テニスにとっては何の役にも立ちません。これで上手くなった人を私は見たことがない。

トレーナーやフットワークのトレーニングをさせるコーチを選ぶときの判断材料にどうぞ。

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私は子供の頃、稲刈りされた後の濡れた田んぼでよく遊んでいました。靴が汚れるので、裸足になって走り回りました。

この頃から、自然に走る姿勢を使い分けていました。

靴を履いているほうが足首が安定しそうですが、これは逆です。靴の硬さが足首を余計に引っ張ります。

裸足のほうが足先まで柔らかいので足場の変化に対応しやすかったです。これは、裸足のほうが足場の変化を感じやすかったから、とも言えます。