ボレーの落とし穴 2 | 窪田テニス教室

窪田テニス教室

皆さんの技術向上のキッカケぐらいになればと思います。
内容は指導者向けかもしれません。
はじめての方はテーマ欄の「注意事項」をすべて読んでください。


先日、元プロ選手(男性)がレッスンをしていました。

レッスン内容はボレー。

彼は、「ボレーはしっかり身体の前で打ちます。そのためにはラケットをボールのほうに素早くセットする必要があります。打球前にラケットが視界に入るようにセットしてください。ラケットが視界にあるままで打球します。打球前にラケットが視界の外にあると上手く打球することはできません。」と言っていました。

そして、彼はその動きをデモンストレーションしました。

身体(足)のターンや肩の動きはほとんどなく、ネット方向を向いたままで「手首と肘の動き」で打っていました。

レッスンの参加者は、「なるほど!」と納得しながら素振り的なことをやっていましたね。

確かに彼は、言ったことをそのままやっています。(教えている動きは、彼自身のテニスではないです。私は彼の現役時代のプレーを知っています。それとは全く違う。)

どうしてこの動きが可能なのか?

この動きをやるのに都合がいいボール(移動が必要がない、胸から腹の高さ)を、球出しをする人に送ってもらっているからです。

このデモンストレーションをしている時に、球出しをする人がボールを少し横に送ればすぐにボロが出ます。

それか、打ち合いをすれば一発でわかります。

打球前にラケットを視界に入れるのが難しくなります。

例えば、フォアで右に移動したとき(身体は右を向く)、ラケットはネット方向に出して視界に入れなくてはならない。打球前、とても窮屈な体勢になります。右胸は閉まっているので使えない(では何を使うのか?)。

状況が厳しくなれば、かなり高い確率でラケットは視界から消えるでしょう。

だいぶ前にも、同じような教え方をしている元プロ選手のことを書きましたが、まだいるのが残念。

第一、打球前にラケットを視界に入れないと上手く打てないというならば、ストロークはどうなるんですか?

ストロークは、ラケットが見えないですよね?

速いボールを打たれているのに、大きなバックスイングで間に合う人がいます。

ボレーで、ラケットを前に出しても打てない人がいます。

それらの説明はない。


指導をするとき、又は指導を受けるとき、大事なのは、その動きが「いろんな状況下で使えるのか?」という視点です。

コーチを選ぶときの判断材料にどうぞ。