何の資格? | 窪田テニス教室

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皆さんの技術向上のキッカケぐらいになればと思います。
内容は指導者向けかもしれません。
はじめての方はテーマ欄の「注意事項」をすべて読んでください。


「『何とか級、何とかコーチ』という資格を持っているコーチは、良いコーチ(動きを教えるのが上手い)ですよね?」と聞かれたことがあります。

すごい名前の資格があるもんだ。

ぱっと調べてみたのですが、テニス関係の資格も数が増えていますね。

「資格を作る側の人間が、金儲けしたいんだな」としか思えません。


資格を持っているコーチ達の能力は向上しているの?

まさか、コーチ達の能力はそのままで、ただ単に、レベル分けを細かくしただけってことはないよね?金払うかどうかで。

資格を作っている側は、どのようにコーチの育成をしているの?

動きが見える人が育成を担当しているの?これが一番アヤシイ。


「何とか級、何とかコーチ」をネットで検索して見ましたが、私が知る限り、彼らのテニスを教える技術はその辺のテニススクールのアルバイトコーチと全く変わりません。

ただテニスを教える技術以外のことでは違いがあるようです。

それは、扱えない、無駄な、的外れな知識が豊富なこと。知識が「目の前にいる生徒のテニス」に結びついてないのが残念。

もう一つが、態度がデカイ。偉そうなというか、自信に満ち溢れている感じで動きの説明をしようとしています。


昔、資格のことで納得がいかなかったことを思い出しました。

それは、「〜の資格を取得後、〜年間コーチとしての実務経験をした後にアップグレードの試験を受けることができる」という条件です。(昔の話ですから、今はこんな条件はないでしょう、、、んっ?)

教えるのが上手くなるかどうかは、コーチをやった年数では決まりませんよ。

何十年間もテニスを教える仕事をやっているのに、教えるのが下手なままのコーチは山ほどいます。

下手な教え方を100年やっても下手なまま。年数は目安にできないと言い切れる。

この現状を知っていれば、こんなことを条件にはしないはず。

この現状を知らないなら、そんな団体が作った資格って大丈夫?ということになる。

資格を作る側は、そのコーチがどんな実務経験をしているのかチェックしてない。チェックしてないのに、実務経験を条件にしている。

生徒に対して「どんな動きの矯正をやったか」という実践内容しか判断基準になれない。というのが私の意見です。


資格自体がダメとは思いませんよ。私が資格を作りたいぐらいですから(窪田3段とかね、ウソ)。

私が作るなら「テニスの資格」「テニスコーチの資格」というあやふやなものではなく、「テニスで使う動きを教えるための資格」です。

合格するかどうかは、生徒の動きを矯正できるかどうかで決まります。動きの矯正は、各生徒に合わせてやるものです。どっかで覚えただけの矯正法は使えません。的外れになるからね。

だからコーチの能力は、生徒の動きを矯正させてみれば一発でわかります。

動きを矯正するには「動きのカラクリが読める(動きを分析できる)」というのが必須。

資格を取るための講習をするなら、動きのカラクリを徹底的に叩き込みます。

これを本気で追求すると、「資格なんてつけられない、資格分けできない」のがわかるようになるでしょう。

資格がつけれるのは、役に立たない浅〜い内容のものだけです。簡単で確かなものには点数がつけられる。動きの矯正はそんな簡単ではない。



テニスコーチの資格は持っているが、テニスで使う動きは教えられないでは話にならない。そんなことでは生徒側の人に申し訳ない

この気持ちが資格を作る側にあるかどうか。

現場で使えるもの、現場で最も必要なものを追求すればいいだけ。


以前、資格をお持ちのお方から「テニスの動きを向上させるために、様々なトレーニングを取り入れているんだ!トレーニングは無駄じゃない。」と言われたことがありました。

持っている資格が上になるなるほど、変なトレーニングを生徒にやらせる傾向がある。(小道具をたくさんコートに並べ出す)

それで上手くなるなら、中年から年配の方にそのトレーニングをやらせればいい。

それで、どれだけ「テニスの動き」が向上するの?

「(生徒の動きの)経過を見る」ということを早く覚えなさい。

変なトレーニングをやらせ、そのトレーニングができるようになった生徒を褒めるだけで、生徒のテニスは置き去りになっているのが現状。私は、こればかり目にする。

トレーニングと生徒のテニスの動きが結びついた瞬間を今までに一度も見たことがない。

テニスを教えるなら、テニスでテニスを教えるのが一番簡単。

例えば、良いスイングと悪いスイングを見せたりやらせたりして、動きの違いを教える。

「動きを分ける=動きの違いをハッキリさせる=動きが分かる」

動きの違いを認識できれば改善する可能性が生まれる。認識できない動きを改善させることなどできない。

テニスを教えるのにテニス以外のことをやらせるのは、とんでもなく遠回り。

そのテニス以外のことを上手くするのにまた時間がかかるでしょ。


運動関係の資格なら、(最低ラインとして)動きが見えないとダメなはず。

動きが見えなくても、動きを見るために必死に努力する団体を私は作りたい。

生徒の動きを見ようと努力することが、教えるための資格。

生徒の動きを矯正しようと努力することが、教えるための資格。

それらの努力が見られないのは全員無資格。

こうならないかな〜。まだまだ遠い未来のようです。