「日本のウユニ塩湖」三豊版とそのパノラマ山 | 次世代に遺したい自然や史跡

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毎年WEB初公開となる無名伝承地や史跡、マイナーな景勝・奇勝を発表。戦争遺跡や鉄道関連、坂本龍馬等の偉人のマイナー伝承地も。学芸員資格を持つ元高知新聞主管講座講師が解説。

[父母ヶ浜と志保山]

近年まで観光ガイドブックにすら載っていなかつた香川県三豊市の父母ヶ浜(ちちぶがはま)海岸。約1kmに亘るロングビーチで夏には海水浴場となって賑わうが、近年、インスタの普及と共に南米ボリビアの「ウユニ塩湖」になぞらえて、「日本のウユニ塩湖」や「四国のウユニ塩湖」、「香川のウユニ塩湖」と称されるようになった。

 

ウユニ塩湖と言えば、薄く水が張った広大な大地に鏡面の如く、風景や人物が映ることで知られる世界的観光地。その人気を受け、全国各地に点在する「日本のウユニ塩湖」も取り上げられるようになった。

 

四国では父母ヶ浜が最も有名な「日本のウユニ塩湖」で、三連休や大型連休でもない普通の土曜日でも関西や中国地方から観光客が押し寄せ、駐車場の半分は四国以外の観光客の車で埋まる。ただ、先日の土曜日、高知県の観光客は皆無だった(車のナンバー確認による)

 

人気の背景には自治体が観光客からの指摘を受け、積極的に内外にアピールしてきたことも影響している。撮影に適した期間と時間帯をホームページに掲載している(→父母ヶ浜見頃カレンダー)他、現地では長靴や撮影グッズもレンタルしている。

 

撮影に適した期間と時間帯は、干満潮ポータルサイトでの市内の粟島の干潮時刻を参考にしており、干潮時刻の前後2時間に日没時刻が入る期間を撮影に適した時期とし、日没時刻の30分前から日没までをゴールデンタイムとしている。干潮は大潮でなくても良い。

 

父母ヶ浜は傾斜が極めて緩やかな遠浅海岸で、干潮時には砂浜が数百mに亘り、薄く水が張ったようになるので、まるで水面を歩いているような写真が撮れるのである。

冬場は風がある程度あるため、水面は鏡面のようにはならないが、それでも観光客の数は減らない。水面に浮いているような写真が撮れ、インスタ映えするからである。

 

夕日や日没写真だけでなく、日中の青空が水面に映る写真を撮りたいと思う方もいると思うが、父母ヶ浜は西向きの海岸のため、逆光を避けるには午前中の干潮時刻前後が良い。が、日中が曇り空ならいい写真は撮れない。夕方(日没直前)であれば少々雲があっても夕焼けになり、その光が水面に映るため、そこそこいい写真は撮れる。

 

ところで自治体のホームページでは、父母ヶ浜の俯瞰写真を、竜王山のハンググライダー基地直下から撮り、掲載しているが、山頂の基地まで車道化されているため、ハイキングとしては面白味がない。

 

そこでお勧めしたいのが、父母ヶ浜東方に横たわる七宝連山北の雄、志保山[しおやま](426m)である。父母ヶ浜の全景は捉えることができないものの、中腹の展望所やそこから上の登山道、及び山頂からは父母ヶ浜越しの燧灘、三野平野、瀬戸内海のパノラマが広がっており、登山道も整備されているため、気持ちのいいハイキング及び軽登山を楽しむことができる。

 

当方は往路、風穴コース(下の地図が登山口)を上り、復路、真山竜神(218m)コースを下山し、半回遊した。風穴は愛媛県の皿ケ嶺登山口にあるような竪穴を切石で固めたようなもの。その切石は中腹の展望所背後の石切場から切り出されている。コースガイドとコース図は後日、ヤマケイに投稿予定。

 

因みに来月以降、前述の竜王山について、自治体が紹介している車道コース(自治体サイトでは徒歩で登るよう指示)ではない最短コース(別の車道と歩道)を開拓予定。その日、三豊市以外の「香川のウユニ塩湖」も探訪予定。

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