廃線跡上の真の四国最大の滝・赤滝は探訪不可か(本山町) | 次世代に遺したい自然や史跡

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毎年WEB初公開となる無名伝承地や史跡、マイナーな景勝・奇勝を発表。戦争遺跡や鉄道関連、坂本龍馬等の偉人のマイナー伝承地も。学芸員資格を持つ元高知新聞主管講座講師が解説。

[落差は150mを優に超える]

かつて「探訪できる」四国一の滝・高瀑(たかたる・132m)を解説したが、武市伸幸氏の著書で「落差約60m」と記述されていた高知県本山町の赤滝が、実際の落差は150~200mあることが滝の展望所に立って実感できた。高瀑を超えているのは一目瞭然で、役場に問い合わせても「見た目は100m以上ある」とのことだった。

 

滝は清流・汗見川支流、桑ノ川のそのまた支流の断崖に懸かっており、滝の展望所は対岸の桑ノ川林道にある。展望所付近も断崖で桑ノ川は峡谷と化し、一見すると対岸の滝壺付近には近づけなさそうに思えるが、滝の支流のある対岸には植林もあり、赤滝下方を林用軌道(森林鉄道)廃線跡らしきものも通っている。この軌道の鉄橋(下の写真は跡地の橋台)が残っていれば簡単に対岸に渡れるのだが、飛び石に利用できる川石もない。

 

赤滝展望所(下の地図)に一番近い民家(普段は空き家同然)70代位の女性に尋ねてみると、その方がこの家に嫁いできた昭和48年時は、対岸に架かる歩行者橋や渡渉できるルートもあったというが、後者のルートは廃道化していた。

森林管理署に問い合わせても、赤滝を含む林内で造林事業は長らく行っていないため、ルートの有無は分からないという。

 

尤も、足を濡らせば対岸に渡渉することは可能。対岸にはなだらかな箇所もある。登山靴からウォーターシューズに履き替え、膝上まで川に浸かって渡渉すればいいのである。しかしそんな「面倒な滝」を紹介しても、探訪したいと思う方は少ないだろう。もう少しルートは探ってみたい。

 

ところで汗見川沿いを車で通ったのは、拙著で「土佐のマッターホルン」と評した大登岐山(天狗岳)に登った’00年以来だが、改めて川の美しさに驚かされる。至る所で川遊びをする子供や家族連れを見かける。

 

汗見川は三波川帯の30種以上の変成岩類が存在する地質学上で貴重な場所。中でも巨大な亀の形をした巨岩「亀岩」(上の写真と下の地図)付近は「四国のみずべ八十八ヶ所」の一つにも選ばれている景勝地。亀岩の対岸側を流れる流れと、その反対側の滝状の流れがあり、後者には滝壺のような甌穴が形成されている。

 

赤滝へ渡れる渡渉ルートを探し出して早く公開してほしい、と言う方は下のバナーを。

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