頻発するいの町・鷹羽ヶ森での遭難 | 次世代に遺したい自然や史跡

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毎年WEB初公開となる無名伝承地や史跡、マイナーな景勝・奇勝を発表。戦争遺跡や鉄道関連、坂本龍馬等の偉人のマイナー伝承地も。学芸員資格を持つ元高知新聞主管講座講師が解説。

[錯綜する林道に惑わされたのか]

2年前、高知県いの町勝賀瀬より西に立ち上がる名峰・鷹羽ヶ森(918.9m)で道迷いによる遭難事故が起こったが、また先週、遭難があった。確か遭難者は北谷から登ったのではないかと記憶している。

 

この山は鷹が羽を広げたような山容をしており、山頂からは石鎚山系を遠望でき、北東ピークからは、仁淀川から太平洋まで見渡せる、県屈指のパノラマ山。高知市からも近く、国道194号に近い所に登山口の一つがあるため、アクセスもいい。以前、だんだんの滝(水神堂の滝)記事で触れたように、尾根まで林道(一般車の通行の可否については未確認)も通じている。

 

ただ、北谷や弘瀬等から登ると山頂との高度差が900m以上あるため、登頂には時間を要する。また、稜線は林道が錯綜している。前述の北東ピークから南下するコースも一部、踏み跡が薄い箇所があったかも知れない。コースと林道との分岐の全てに道標が設置されていたかどうかは覚えていないが、このように林道や作業道が錯綜する山では、読図力のない者は道迷いを起こす可能性がある。今回の遭難も2年前同様、道迷いによる遭難だろう。

 

先週の遭難者が発見されたかどうかは報道されていない。県内に於いてこの10年ほどの間、遭難者が発見されなかったケースは、精神障害がある者の時位なので、恐らく今回も発見されたものと思われる。いつも言っていることだが、登山する際、例え対象の山が市販のガイドブックに載っているような山であっても、常に読図と現在地確認は怠ってはならない。

 

因みに当方は鷹羽ヶ森と尾根続きの南方にある無名峰・大津江山(522.8m・下の写真は山頂)から縦走して行った。四国一のピークハンター、MH2氏は点の記に記載されているルートを登っていたため、後塵を拝すのは耐え難いと、そこより南方にある谷(上の写真は甌穴)沿いの峠道を上がった。

 

しかし途中でそこら中にある国土調査杭に惑わされ、ルートを外してしまったため、急傾斜の斜面を這い上がって大津江山の尾根に出て、鷹羽ヶ森まで縦走し、前述の太平洋を望める860mピークから南のコースを下り、北谷へと下山し、回遊した。ルート図とガイドは→石鎚山系から太平洋迄・大津江山~鷹羽ケ森急登回遊

 

PS

(1)  睡眠時無呼吸症候群に端を発した睡眠障害の再発と腰痛により、もう本格登山ができない身体になってしまった模様。最近しばらく歴史ものの記事を投稿していないのもそのため(記事作成に長時間要するため)

 

(2)  923()16時から「わらじで歩こう坂本龍馬脱藩の道」(大洲市河辺町)の前夜祭「龍馬を語る夕べ」に於いて、講師として講演を行います。脱藩須崎説、宇和島説、柳谷(越知町・仁淀村ルート)説についても解説予定。講演後の懇親会も参加を依頼されているため、聞きたいことがあれば応じます。

 

(3)  6月下旬にも四万十町で、旧高岡郡の各市町村(須崎市を含む)の文化財保護審議委員を前に講演を行いますが、これは各教育委員会が認めた専門家が対象なので、一般の方は聴講できません。講演内容は’09年に津野町で行ったものと似たもの。

 

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