高知市の無名展望スポットとペットの奥の院・鉢巻山 | 次世代に遺したい自然や史跡

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毎年WEB初公開となる無名伝承地や史跡、マイナーな景勝・奇勝を発表。戦争遺跡や鉄道関連、坂本龍馬等の偉人のマイナー伝承地も。学芸員資格を持つ元高知新聞主管講座講師が解説。

吉良ヶ峰から北に延びる高知市春野町といの町との市町界線は、吉良ヶ峰鉱山を経て鉢巻山(240m)に達する。ここはかつて石鎚山の遥拝所の一つで、山頂にNTTドコモの鉢巻中継所が建つまでは石鎚神社があった。現在は山頂直下に下ろされている。

 

鉢巻中継所までの車道ができて以降、その西方に鉢巻山動物霊園が開園されたが、ここにはペットの霊を供養する大覚山観音寺がある。更に鉢巻中継所直下には観音寺奥の院まで建立されている。動物霊園で奥の院まで設置されているのは珍しいが、そこからは展望が開けていたからだろう。

 

しかしそこよりはるかに展望の優れた場所がある。鉢巻中継所の少し手前の道路である。そこからは吉良ヶ峰鉱山の階段状擂鉢型採石場越しに南嶺から春野平野、太平洋まで見渡すことができ、壮観。側には別荘のような建物まである。

 

鉢巻山(上の地図。下の写真は山頂)へ向かうには当然、地元春野町側から車で登ったのだが、途中から私道になっていることに気づかず(看板の文字が消えていたため)、軽四がぎりぎり通れるような悪路を登り、ドコモ専用道路に出た。

 

本来はいの町八田の県道38号・大坪橋南の岩滝橋から登るようになっている。橋からの道路をひたすら登って行くと稜線を走るドコモ専用道路に出る。ここには道標が出ているので、鉢巻山方向に折れる。

道標が出ているということは、一般車両も走行可であることを示している。少し進むと左手に私有地につき立入禁止の看板が出ているが、この狭い車道を上ってしまったのである。その少々先に前述の好展望地がある。

 

道路は市町界線を越えると三差路に突き当たり、右の先が鉢巻中継所で、左の道は動物霊園へと下る。車はその三差路付近に駐車。その下が広場のある奥の院で、地蔵の石像が見えている。その隣には季節外れの紅葉が。

まずは中継所の門まで行き、そこから奥の院の塀沿いの小径を進み、大山積神社の祠を経て、大山積神社の鳥居に下り立つ。東側はミニ四国霊場入口で、その北沿いに石鎚神社の参道が並行しており、すぐ先に神社の祠(上の写真)がある。しかし現在は木々が茂り、石鎚山系の展望はよくない。

 

ミニ四国霊場は逆L字型の敷地に八十八ヶ所の石仏と二つの弘法大師像を置いただけのものだが、八十八ヶ所石仏は数体だけを残して撤去されている。

大山積神社鳥居の反対側が奥の院の広場。しかし本堂とは異なり、奥の院は簡便なプレハブ小屋(上の写真)。北西方向にある程度展望が開けている。

 

そこから観音寺本堂まで車道が下っているが、この道路は霊園利用者以外通行できないため、大山積神社鳥居から西に下る参道(踏み跡)を辿る。この道は霊園道路を横断すると、草地の作業車道のような道になり、ヘアピンカーブを繰り返しながら下る。途中の分岐は南の道を進む。

 

しばらく下ると霊園手前の道路分岐に出るので、ここを道標のある観音寺方向に進む。本堂は小さいながらもれっきとした仏堂で、中には仏像も安置されている。周辺には納骨堂が二棟ほどあり、その下が霊園になっているが、空きスペースが目立つことから、まだここの霊園は開設されてから日が浅いのかも知れない。本堂の奥には合同愛玩塚(下の写真)が建立されている。

高知市内のもう一つの山の動物霊園は野良猫スポットになっているのだが、それはまた野良猫名所一覧プラスシリーズで公開したい。

 

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