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2015-03-26 (Thu)

ナンパした外国人女性とのエロ話

 今から5年ほど前の夏、一人の女性にあった。イスラエルから来た彼女と逢ったのは、六本木の外苑東通りから一本入った路地裏の、名も知らぬオープンカフェの前。通りがかった彼女と、たまたま目が合い、手招きしてお茶を飲んだのが始まりだった。

 ワンレングスの黒髪、パルクフィクションのユマ・サーマンをずっと美人にしたような彼女は、その時に黒いスパッツに安いブルゾンを上に羽織り、大きなナイロンバッグ一杯に荷物を詰め込んでいた。彼女の名前はノーラ。


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 イスラエルから来てまだ1ヶ月ほど、日本に来てはみたがまだ日本人の友達もいないという。また、滞在先も、旧いアパートを改築しただけの、狭っ苦しい小さな部屋だという。彼女としては、別に贅沢を言うつもりはなくても、仕事が終わってから真っ直ぐ帰る気になれないのだろう。

 白く透き通るような肌に、濡れたような真っ赤なルージュ、艶のある黒髪。その美しいコントラストの中に、すっと伸びた鼻筋と、ライザ・ミネリのような大きな瞳…。黙っていても、見とれてしまうほどの美貌だった。年の頃は20代の後半だろうが、しかし体型は下腹部からヒップにかけて若干崩れているし、日本人女性の30代半ばと同等の大人びた雰囲気を見せていた。

「これからどうする?予定がないなら、よく行く店があるんだが…」「少しだけなら…」といった感じで、歩いて行きつけの店のカウンターに腰を預けると、彼女は酒を断り、グレープフルーツジュースを手にした。

 俺はライムカクテルのカミカゼをシューターで頼んだ。うつむき加減でなかなか眼を向き合わせることはなかったが、彼女の照れた素振りが、なんともいえずチャーミングに思えた。

 それから何度か深夜のデートを重ねたとある晩、12時を過ぎた頃に携帯が鳴った。ノーラからだった。店から帰りたいが突然の強い雨で帰るに帰れないという。六本木にクルマ出来ていた俺は、なにも躊躇せずにノーラを迎えに行くと、彼女が吹き付ける雨の中、傘も差さずにビルのフロアから車道に小走りに駆けよってきた。

 その一瞬、ネオンの輝きを受けて光る雨が、腰近くまでスリットの入った赤いスパンコールのイブニングドレスに降ぐ。その姿は映画以上にドラマティックだった。

「誕生日なのに、こんな雨だなんて。でも雨はいろんなものを育てるから嫌いじゃないけど…」唐突なその言葉に、驚きつつ、俺は少ない稼ぎに見合った予算ながら、楽しめる場所を考えあぐねた。思いつくのはせいぜい白金のラボエムくらいしかなく、俺はノーラを横にクルマを走らせた。

 しかしその僅かな移動の間に豪雨はすでに止み、おかげで夏の夜というのに誰もいないオープンテラスが目に入った。「テラスでいいや」そうウェイターに告げると、「濡れるかも知れませんが、いいんですか?」と返される。それでもノーラと俺は、ここでイイという答えが一致し、店の中を二人で通り抜けた。

 すると、タンクトップにデニムのワークシャツ、ワークブーツという出で立ちの俺の前に、ノーラが真紅のイブニングドレスがしなを効かせて歩いている。不釣り合いな二人連れだったが、フロアの客たちの視線は一斉にノーラに向けられ、どよめきを呼んでいた。それほどにその夜の彼女は美しく、ゴージャスでセクシーだった。

 雲間に星が覗く頃、ノーラと俺意外、誰もいないテラス。そこで簡単な食事をオーダーすると、彼女が今日はガーリックはだめよと言う。首をかしげる俺を見てノーラが笑う。俺が彼女のバースデイを祝いたいとウェイターに告げると、すぐにバースデイのサービスで、ウェイターたちが歌を歌い、特別にキャンドルが灯された。

 安上がりな話だが、彼女も俺もその時間を楽しみ、ご機嫌だった。そんな時に、BGMでフランキー・ヴァリの「君の瞳に恋してる」が流れると、ノーラは一緒に口ずさみ、俺を見つめ、俺もローラを見つめながら一緒にその歌を口ずさんだ。やがて丸テーブルの上に肘をたてながら二人は、「Can't take my eyes of you…」と大きな声で、その恋の歌を歌っていた。

 空が白やむにはまだ時間がある。ノーラは俺に行き先を任せると言うと、俺は悩んだ。彼女のバースデイにラブホテルというのに抵抗があった。それに、メリディアンや台場の日航ホテルにチェックインするには時間も遅ければ、金だってそこまで余裕がない。

 じゃあ、と俺はノーラに正直に告げると。クルマを走らせ、首都高速から湾岸に乗って横浜へと向かった。せめてもと、俺が好きな湾岸の夜景を眺める程度のドライブぐらいしかプレゼントするものが考えつかなかったからだ。濡れたアスファルトにヘッドライトとテールライト、そして夜景の照り返しというイルミネーションで輝く道、そして藤色に変わり始めた東の空に浮かぶ夜景にノーラは歓喜の声を上げた。

 すると、急にいますぐにでもどこかで止めて欲しいとノーラが言う。少し飲み過ぎたから…と。

 東京への戻り道、川崎の東扇島で降りて用の足せる場所を探した。しかし簡単に見つからない。しょうがなく湾の施設の中に入り、暗がりを見つけると、ノーラはそのまま外でするという。しかし、紙がない。ノーラは少し酔っていたのだろうか、大きくのけぞって笑うと、ねえ、

あなたなんとかしてよと言う。クルマからティッシュを降ろして渡そうとするとノーラは首を振って、悩ましい眼差しで俺を見つめると、イブニングドレスを量の手でめくり上げ、ゆっくり目を閉じると、キスを求めるように唇を突き出した。

 濡れた赤い唇、朝の薄い光が赤いドレスに包まれたノーラの白い肌を蒼く染める。唇を重ね、舌を絡ませる。手をどうしていいのかわからない。躊躇する俺にノーラは愛を囁くように何かを呟き俺の手にめくり上げたドレスを委ね、俺の髪を悩ましく撫でると、白い肢体の方へと頭を導いた。

 俺は路上にひざまずき、ノーラの白い肌と黒い草むらに顔を埋めた。舌を這わし、ノーラのクレヴァスを綺麗にするように舐め回す。舌にノーラの蜜の味が拡がる。そして綺麗に拭き上げるべき液体の味…。

 その時、心底、俺はノーラのその蜜を美味しく思った。俺の髪を抑えるノーラの手が震える。彼女は爪を立てて喘ぐと、少しして腰の力がガクンと抜けてしまった。俺はノーラを横にして抱きかかえ、クルマのドアをなんとか開くとバックシートにノーラを寝かせる。一瞬、大きな声で顔を押さえてノーラが笑う。

 そして再び俺の瞳を見つめる。俺はそれでも再び唇で愛撫した。何度も小刻みに震え、仰け反り、再び絶頂を迎えると、彼女は静かになった。再び唇を重ね、舌を絡ませる。デニムの表にまで、俺の液体が滲んでいるのを彼女は手でさすると、「来て…」とそっと呟いた。

 濡れたヴァギナに、滑り込むように俺のが挿入る。両足を抱え上げゆっくりと先端まで入れて黒い茂みを裏から突き上げる。ノーラが「ああっ」と息を吐き眼を細める小刻みにノーラが俺を締め上げるのがわかる。その感度の良さは最高だった。

「あっああ…」と声を高めると、バックシートの上にしぶきが降り注いだ。周囲はどうであれ、俺は踊るように腰をグラインドさせ、子宮の口めがけて突き上げる。ノーラの子宮がペニスの先端に触る。もっと深く、大胆に、より奥深くへ…。その蜜のような刹那に、俺は彼女を愛しているという気にさえなった。

「愛してる」と言いたくなる気持ちを抑えて、絶頂へ向けて二人は深く交わり、悩ましく、そして激しく腰を寄せ合った。俺から吹き上がった液体が、ノーラの下腹部から、イブニングドレスを飛び越え、ノーラの美しい顔にかかっていた。大声でノーラが笑う。顔に両の手をあてて深呼吸するノーラ。

 ティッシュを採って拭おうとすると、ノーラは顔を手で拭い、そのまま腰を折って起きあがると「オオッ」と驚いたような素振りで、ヴァギナから垂れる俺のものとは違う白濁した液体を手でぬぐい取った。

 そして彼女はその濡れた手を俺のペニスに添えると、「悪い子ね」というようなことを言い、うっとりとした表情で「今度はわたしがキレイにするのよ」とつぶやき、まだ余韻に浸るペニスに舌を這わせ、その真紅の唇の奥深くにほうばった。

 俺は彼女の白濁とした液を拭うために、再び、ほんの少しだけ彼女のヴァギナを吸いつくように舐め回した…。秋の深まるまでに俺とノーラは何度となく愛を交わしたが、その頃、別居中ではあったものの、既婚者である俺に当時として彼女に恋人以上のことはできず、また結局は彼女のほうもそれ以上を望むこともなく、笑いながらイスラエルに帰国した。

 成田での別れがあれほど切ない思いをしたのは、彼女が最初で最後だった…。その後、ノーラはニューヨークのメイクアップの専門学校に通ってしばらく後まで、その元気な姿を一文を添えた程度の手紙を俺の事務所に送ってきてくれていた。

『おかげで楽しい日本が好きになったよ…』というノーラの気持ちを受けて、俺はそんな彼女の心に僅かながらも入り込めたことを、今でも嬉しく思っている…。

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最終更新日 : 2019-11-06