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正岡

おたくな奥様快楽通信

劇場版「キャプテン翼 世界大決戦Jr.ワールドカップ」の感想

2017年09月18日
アニメ・特撮・邦画 0
「キャプテン翼 世界大決戦Jr.ワールドカップ」1986年(東映)

 夏の東映まんがまつりの看板。二年続けて「キャプテン翼」。TV放送が春に終わって、中学生編の続きをジャンプで連載中中のころ。
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↑左側のDVD。ユニフォームが初めてジャパンブルーに

 これは劇場版用に高橋陽一先生が書き起こした物語。ストーリーやキャラクターに原作者先生が大きくかかわっていて、週刊少年ジャンプに経緯が逐次載っていた。高橋先生のコメントで「ファンサービスも入れました」とかあったから、ストーリーの細かい部分にも先生の意向が盛り込まれているはず。
 あれっ?ファンサービスって、どこ?どこのシーン?

 お話。日本、ヨーロッパ、南米、アメリカの4チーム対抗戦、ジュニアワールドカップが開催される。南米チームの監督はロベルト本郷と知り、動揺する翼。ロベルトの育てた新たなライバル選手と翼の対決の行方は?

 これはテレビシリーズのキャプ翼とちょっと印象が違って、原作者の描く翼くんはこうだというのが非常に鮮明に出てる作品だと思う。このお話では翼君の内面に立ち入って、また同時に新キャラ・サンターナの心の声も描いている。そこは原作者だから描けるところだ。
 やっぱりテレビアニメは、たくさんのシナリオさん演出さん作画さんが介在するし、(しかもわりと小次郎ひいきだったり)、声優の演技も入るし、TVアニメというのは必ずしも原作の正確な再現ではなくなるのね。私はキャプテン翼はアニメから入って、あとから原作コミックを読んだけど、「お話は同じなのに、なんかキャラクターの印象が原作とアニメでは微妙に違う」と感じた。この劇場版見て、それを思い出した。アニメが何か間違ってるというんじゃなくて、原作に追いついてしまわないように時間稼ぎで様々なシーンを追加し、絵がないままアフレコした声優陣など、いろいろものが作用して思いも寄らない膨らみ方をしているのだと思う。

 キャプテン翼の世界では、大人は何もしない。会場とかバスとか用意して付添してくれるだけで、サッカーは教えてくれないし、干渉もしない。翼たちは子供同士で何をどうするか決める。ゴールキーパーも誰が先発して、いつ交代するかも当事者が決める。ハーフタイムのとき、選手にアドバイスを与えるのは翼君だ。
 私は「キャプテン翼」の面白いところは、そこだと思う。彼らは、子供だけの世界の中で動いている。子供同士の力関係や絆があるのだから、そこに大人が干渉してはいけないのだ。そもそも大人はいない世界なのである。(プロになって以降のキャプテン翼はよく知らない(^_^;))
 ロベルト本郷は、翼の世界に干渉が許される唯一といってもいい大人だが、客観的に見ると少し変な大人ではあるかも。おまえは南米チームの監督なのに、試合終わって真っ先に声かけるのが翼とか、そこはどうかと思う。マンガだからまあいいけど。

 残念なのは、作画の不備。デッサン狂ってるとかじゃないの。動画があちこち抜けていて、明らかに間に合わなかった感が(^_^;)
 当時、土田プロの下で動画やっていた人とか知りあいとかにいて、今どのへんの動画やったみたいな話が伝わってくるんだけど、え?そんなにぎりぎりで間に合うの?(^_^;)みたいな極悪スケジュールだったです。TVも劇場版も。それだけたくさんの人に仕事ばらまいてがんばって作っていたってことなんでしょうが、それでも間に合わなかったのね。
 ああ、そうだ思い出した。高橋先生がファンサービスとして入れたというシーンは、結局映像にはなかったんじゃなかったっけ。若島津のシーンだったらしい。若島津は物語の立ち位置としては、脇なのだが、当時原作者も配慮するくらい絶大な人気があったのだ。
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↑このジャージ、ワニとか言われていたっけ……

 最後に男声声優の話を。
 「キャプテン翼」の登場人物は小中学生なんだけど、男性声優が小学生から出てました。
 鈴置さんは当時35歳くらいで、最初から小次郎で指名だったらしい。いや、絶対小学生の声じゃないけど。ばかやろう!気をつけろ!と松山を殴る場面。あれは他の小次郎役の声優さんには申し訳ないけど、鈴置さんが一番かっこよかった。
 今まで気にしたことはなかったけど、他の人は何歳だったんだろう?とさっき調べた。飛田展男は、オーディションは翼で受けてるそうで、26歳。翼君の小粥よう子も26歳。中原茂24歳。山田栄子31歳。で番組をスタートしている。
 劇場版で登場したシュナイダー難波圭一、堀内賢雄は28歳。え?そんなに若かったんだ(^_^;) サンターナ井上和彦32歳。
 ちなみに、ロベルト田中秀幸さんはたしか鈴置さんとタメなので、35歳。獅子座のアイオリアはロベルトよりも後の役なのね。さらにそのあと、大豪院邪気とかファルコとかスラムダンクのメガネくん(高校生)やってるからね。いやあ、声優の歳ってわかんないですねえ。




「キャプテン翼 明日に向かって走れ」1986年(東映)
 これはジュニアワールドカップより前、春の東映まんがまつりで上映された。
 正月に「俺と日向小次郎」という、小次郎総集編特番があった。ちょうど南葛東邦戦の開始直後、タイガーショットがバーに当ってボールがパンクするシーン、あのへんで正月特番だった。え〜アニメスタッフが小次郎好きなのは知ってるけど、公共の放送を使ってこれはちょっと露骨じゃね?(^_^;)とか思っていた。
 でも、春の劇場版で若林くんも岬くんもちゃんとフォローしてる。
 お話は、全日本チームに翼たちが招集され、それぞれの決意を胸に……。夏の劇場版の長い予告編? 作画監督は小島秀人。だからちょっと絵が違うし、TVシリーズの総集編も入るので絵がばらけている。

 さて、勢いがついたところで、「新キャプテン翼」OVAのやつですね。それも続けてみるぞ。つづく。

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この記事を書いた人: 正岡
■生涯一腐女子。腐女子の本懐を極める。追っかけ中→小西克幸。市川猿之助。松田龍平。蒼井翔太
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