標準作業の確立、それに基づく作業指導、そして作業観察と作業修正、この手順を踏めば物流品質不良が出ることはほとんど無くなると思われます。

もしこのPDCAを回していても不良が無くならないのであれば、それは標準作業に問題があると考えた方がよいでしょう。

類似品の識別方法やオーダーと製品の照合方法などについて標準作業書への記述が不十分なのかもしれません。

今一度標準作業書を読み直し、不十分な記述を修正しましょう。そしてその後必ず勉強会を開催し、作業者の方全員に修正点を認識してもらう必要があります。

もう一つ、物流品質の大敵として「マンネリ化」が挙げられます。作業者も毎日同じことを繰り返しているとそれがマンネリ化してきます。

それを防ぐために日々仕事を入れ替える工夫も必要です。作業者の方には常に新鮮かつ緊張感を持った仕事の仕方をしてもらいたいと思います。

さらにもう一つマンネリ化を打破するための仕組みをご紹介したいと思います。それは「意地悪チェック」の導入です。

これは物流工程のどこかに不具合を仕掛けておいて、作業者がそれに気づくかどうかをチェックする仕組みです。

たとえばピッキング棚でA製品のロケーションに、A製品に酷似したB製品を入れておきます。作業者がそれに気づくかどうかをチェックするのです。

本来であれば製品に記載された番号とオーダーシートの製品番号を1文字ずつ照合することになっていますが、それを無視して(やったつもりになって)作業を進める人がいます。

このようなトラップを現場に仕込んでおけば、誰がマンネリ化しているかがわかります。現場に緊張感が薄れるとこのような現象が起きがちです。

「意地悪チェック」はそのようなことを実施する旨作業者に伝えるだけでも効果があります。つまり告知するだけで実際にやらなくても効果があるということです。

なぜならいつ自分のところにトラップが仕掛けられるか気にするためです。そのために適度の緊張感が発生し、マンネリ化による誤りの発生防止につながるのです。

次回に続きます。


■『3つの役割を果たす!構内物流改善の進め方』

株式会社グロースベースとKein物流改善研究所との協働制作講座が完成しました!
物流のE-learningは珍しいかもしれません。一部無料で見られますので皆さんもアクセスしてみて下さいね。

https://www.kaizen-base.com/contents/logi-42826/

■物流にIEを導入するためのセミナーを東京で実施します!

 「物流IEで現場改善〜体感型IEセミナーで、すぐに実践できます〜」

 開催日:2017年7月5日(水)
 時 間:15:00〜17:00
 会 場:イー・ロジット東京セミナールーム

 詳細は以下からご覧ください!
 http://www.e-logit.com/seminar/20170705m.php

■大阪でトラック輸送改善のセミナーを実施します!
 
 「トラック輸送の効率化 〜輸送の見直し&コスト削減〜
  物流コストの60%を占める輸送費にメスを入れよ」

 開催日:2017年7月24日(月)
 時 間:10:00〜17:00
 会 場:大阪府工業協会 研修室

 詳細は以下からご覧ください!
 https://www.opmia.or.jp/seminar_entry?post_id=2758

■日刊工業新聞社 工場管理 6月号 好評連載中!

 「工場全体を効率化できる 物流のトリセツ
『第9回 ジャスト・イン・タイム調達の実行(上)』」

 http://pub.nikkan.co.jp/magazine_series/detail/0007

■日刊工業新聞社 プレス技術 7月号 好評連載中!

 「暗黒大陸の物流改善大作戦 〜プレス工場を大変身させる秘密の裏ワザ〜 
   『第22回 海外物流管理のポイント(上)』」

 http://pub.nikkan.co.jp/magazine_series/detail/0003

物流改革で「収益力向上!」「品質力向上!」「人財力向上!」 Kein物流改善研究所
http://www.keinlogi.jp/