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「メイバランスMini」と「アイソカル100」徹底比較してみた【管理栄養士】

「メイバランスminiとアイソカル100って、どっちも似たような商品だけど何が違うんだろう?」

「メイバランスminiの方が人気だけど、なんで人気なの?」

などのお悩みはありませんか?

この記事では、メイバランスminiとアイソカル100の栄養成分や原材料などを比較考察しています。

栄養成分

基本情報

メイバランスMiniアイソカル100
内容量(ml)125100
エネルギー(kcal)200200
たんぱく質(g)7.58.0
脂質(g)5.68.0
糖質(g)29.325.0
食物繊維(g)2.50.1~1.0
食塩相当量(g)0.280.27
水分(g)93.6~94.070
PFC比15:25:6016:36:48
メイバランスMiniに関しては、コーンスープ味を除く
アイソカル100に関しては、コーンスープ味・ポテトスープ味・キャラメル味を除く
(画像引用:amazon.co.jp)

内容量の違い

内容量に25mlの差があります。

健常者から見ると「たった25m」ですが、

食欲が低下している高齢者・病者から見ると「大きな25ml」です。

飲む量が少なければ、飲み切りやすくなり、必要なエネルギーを補給しやすくなります。


栄養補助飲料は基本的に「125ml」のものが多く、

アイソカル100のような「100ml」の飲料は業界最小容量となっています。

脂質量の違い

たんぱく質・炭水化物は1g当たり4kcal

脂質は1g当たり9kcalと多くのエネルギーを持っています。


アイソカル100では、容量を小さくする代わりに脂質量を多くすることで、少量高カロリー(200kcal)を実現しています。

しかし、単純に脂質を増やすのではなく、総脂質(8.0g)の30%を中鎖脂肪酸で構成する工夫をしています。

中鎖脂肪酸はエネルギーとして使われやすい脂質で、体内に溜まりにくいとされています。

詳しくは以下の記事をご覧ください。

MCT(中鎖脂肪酸)の効果や摂取時のポイントなど【高齢者と栄養】

ただし、脂質量でみるとアイソカル100の方が多いため、

血清脂質(中性脂肪やLDLコレステロール)の値が悪い方は、脂質の少ないメイバランスminiの方が良いでしょう。

食物繊維の有無

メイバランスminiでは2.5gの食物繊維が入っているのに対して、

アイソカル100では0.1~1.0gと少量かつ、あいまいな表記がされています。

メイバランスminiに入っている食物繊維は「難消化性デキストリン」というものです。

食物繊維(難消化性デキストリン)には様々な生理作用が期待できるため、積極的に摂取したい栄養素です。

この点に関しては、食物繊維が入っているメイバランスminiの方が断然良いでしょう。

難消化性デキストリンについての詳細は以下の記事をご覧ください。

難消化性デキストリンの効果や摂取時のポイントなど【高齢者と栄養】

PFC比

PFC比とは、Pたんぱく質・F脂質・C炭水化物の比率の事で、

1日の総摂取量のうち、P(13~20):F(20~30):C(50~65)が最適とされています。

食品1つで大きく変わる物でもありませんが、栄養バランスの整っている食品の方がなんとなく良い気がしませんか?

そう考えると、メイバランスminiの方がPFC比が整っているため、栄養バランスの偏りに気にしないで飲むことができます。

PFCについての詳細は以下の記事をご覧ください。

PFC比(PFCバランス)とは?適正比率や栄養補助食品との関係についても紹介【高齢者と栄養】

ビタミン

メイバランスMiniアイソカル100
ビタミンA(µgRAE)120128
ビタミンD(µg)1.01.8
ビタミンE(mg)6.01.2
ビタミンK(µg)4.220
ビタミンB1(mg)0.300.39
ビタミンB2(mg)0.400.43
ナイアシン(mgNE)4.94.8
ビタミンB6(mg)0.600.53
ビタミンB12(µg)1.20.6
葉酸(µg)6035
パントテン酸(mg)1.22.5
ビオチン(µg)0.425.0
ビタミンC(mg)3238

全てのビタミンが微量に含まれている

メイバランスminiもアイソカル100もすべてのビタミンが微量に含まれています。

それぞれで配合量に差はありますが、

普通の食事ができていて補助的に補食を使っている場合、栄養素の偏りは少ないでしょうし、

普通の食事ができていない場合は、ビタミン・ミネラル補給用の栄養補助食品を使った方が良いので、

メイバランスmini・アイソカル100のみでビタミンを充足させると考えることはほぼありません。

そのため、配合量の差は誤差の範囲内と考え、大きく気にしなくていいでしょう。

ミネラル

メイバランスMiniアイソカル100
ナトリウム(mg)110108
カリウム(mg)120170
カルシウム(mg)120125
マグネシウム(mg)4048
リン(mg)140120
鉄(mg)1.52.0
亜鉛(mg)2.00.8
銅(mg)0.100.06
マンガン(mg)0.0140.27
ヨウ素(µg)1.213.0
セレン(µg)126.0
クロム(µg)0.984.0
モリブデン(µg)4.24.0
メイバランスMiniに関しては、コーンスープ味を除く
アイソカル100に関しては、コーンスープ味・ポテトスープ味・キャラメル味を除く

全てのミネラルが微量に含まれている

メイバランスmini・アイソカル100ともに全てのミネラルが微量に含まれています。

ビタミン同様、配合量の差については気にしなくていいでしょう。

原材料及びアレルゲン

原材料

味により若干異なるため「コーヒー味」で比較しました。

原材料は重量の重い順に表記する決まりがありますので、表示順で並べました。

表示順メイバランスMiniアイソカル100
1液状デキストリン
(国内製造)
デキストリン
(国内製造)
2乳たんぱく質カゼインカルシウム
3食用油脂
(なたね油、
パーム分別油)
大豆油
4砂糖中鎖脂肪酸油
5難消化性デキストリンしょ糖
6コーヒーエキスコラーゲンペプチド
7食塩なたね油
8酵母酵母調整品
9食用油脂加工品

赤:たんぱく質

黄:脂質

緑:炭水化物

炭水化物源はほぼ一緒

炭水化物源では、基本的には消化しやすいデキストリンが使われています。

デキストリンという名前は聞き馴染みが無いと思いますが、糖質を分解したもののことで怪しい成分ではありません。

デキストリンについて詳しく知りたい場合は以下の記事をご覧ください。

デキストリンとは、危険性は無いのか【高齢者と栄養】

甘味成分が、メイバランスminiでは「砂糖」

アイソカル100では「ショ糖」

となっています。

砂糖の主成分がショ糖ですので、大きな違いは無いと考えていいでしょう。

たんぱく質源は大きく異なる

たんぱく質源ですが、

メイバランスminiが「乳たんぱく質」

アイソカル100が「カゼインカルシウム」「コラーゲンペプチド」

となっています。


乳たんぱく質は乳類のタンパク質(ホエイ+カゼイン)のことです。

乳類のタンパク質はアミノ酸スコアが高いことが特徴で、必須アミノ酸の含有量が多いことが予想されます。

実際にメイバランスminiには必須アミノ酸が3840mg入っています。


対して、アイソカル100は、乳類タンパク質のカゼインのみを採用しており、それに加えてコラーゲンペプチドが配合されています。

カゼインのみですので、ホエイに多いBCAA(分岐鎖アミノ酸)量が少ないことが予想できます。

また、コラーゲンペプチドも必須アミノ酸が少ないたんぱく質であるため、アイソカル100は必須アミノ酸量が少ない、もしくはばらつきが大きくアミノ酸スコアが低いことが予想できます。

実際にアミノ酸含有量を比較出来たらいいのですが、アイソカル100の資料にはアミノ酸組成量について記されていませんでした。

そのことからも、アピールできるほどのアミノ酸量が入っていないことが考えられます。


必須アミノ酸に関しては、メイバランスminiの方が多いと予想できますが、

アイソカル100には「コラーゲンペプチド」が入っています。

コラーゲンペプチドは、必須アミノ酸とは異なる健康効果を期待できることから、アイソカル100の方が広く浅くたんぱく質効果を得られる可能性に期待ができます。

コラーゲンペプチドの詳細に関しては、以下の記事をご覧ください。

コラーゲンペプチドの効果や摂取時のポイントなど【高齢者と栄養】

脂質源もやや異なる

脂質源もやや異なります。

メイバランスminiは、「食用油脂(なたね油、パーム分別油)」

アイソカル100は、「大豆油、中鎖脂肪酸油、なたね油、食用油脂加工品」

中鎖脂肪酸は先ほど説明したように、エネルギーとして消費されやすい油です。

食用油脂、食用油脂加工品については大きな差は無いでしょう。

アイソカル100の方が様々な材料を使用していることが分かります。

添加物

表示順メイバランスMiniアイソカル100
1カゼインNaカゼインNa
2乳化剤クエン酸K
3リン酸K塩化Mg
4クエン酸Kリン酸塩
(Na、Ca)
5炭酸Mg乳化剤
6香料カラメル色素
7V.C安定剤
(セルロール)
8クエン酸Na水酸化K
9ph調整剤V.C
10グルコン酸亜鉛香料
11V.E硫酸鉄
12硫酸鉄ナイアシン
13ナイアシンパントテン酸Ca
14パントテン酸CaV.E
15V.B6V.B6
16グルコン酸銅V.B1
17V.B1V.B2
18V.B2V.A
19V.A葉酸
20葉酸V.D
21V.B12V.B12
22V.D

ビタミン・ミネラルが添加されている

メイバランスmini・アイソカル100ともに、ビタミン・ミネラルが添加されていることが分かります。

特筆して危険な添加物はありません。

アレルゲン

メイバランスMiniアイソカル100
大豆大豆
ゼラチン

アイソカル100はゼラチンに注意

メイバランスmini・アイソカル100ともに「乳・大豆」が引っ掛かります。

それに加えてアイソカル100では「ゼラチン」も引っ掛かります。

味の種類

メイバランスMiniアイソカル100
コーヒーコーヒー
ストロベリーストロベリー
バナナバナナ
キャラメルキャラメル
コーンスープコーンスープ
ヨーグルトあずき
ぶどうカフェモカ
ココアミルクティー
ポテトスープ

アイソカル100の方が種類が豊富だが…

アイソカル100の方が1種類多い9種類です。

ただ、味の良し悪しでいうと、メイバランスminiのほうが完成度が高いように感じました。

アイソカル100は、特にポテトスープ、コーンスープで好みが分かれるかと思います。

メイバランスminiの方が、脂質が少ないため飲みやすいのだと思います。


また、メイバランスはシリーズで見ると、

発酵乳、ミルクテイストなどさらに多くの味があります。

保存期間

賞味期限

メイバランスMiniアイソカル100
270日9か月
(下記以外)
6か月
(コーンスープ味、
ポテトスープ味)

アイソカル100のコーンスープ・ポテトスープの6か月は、少ないように感じます。

体調により栄養補助食品が不要になる可能性もありますし、

備蓄食としても活用できたら嬉しいので、保存期間は長ければ長い方がありがたいですね。

価格

バラエティパック (8種×各3本)の価格

販売先メイバランスMiniアイソカル100
公式無し4464円
amazon4168円4464円
楽天4163円4464円
2024年4月12日の価格(各種ポイント除く)
amazon・楽天にてどちらもセール時ではない価格

メイバランスminiの方が安く買えますね。

最終評価

個人的には、

メイバランスminiかな。


理由としては、

・栄養バランスが良い(PFC比が適正なことや食物繊維が入っていること)

・おいしい(あくまで個人的意見です)

・安い

・賞味期限が長い(体調の回復に伴い補食が不要になる可能性もあるため、長くストックできる方がありがたい)

の4つです。


皆さんは上記比較を参考に、好きな方を選んでください。

最後までお読みいただきありがとうございました。



医師・栄養士の指導を受けている方は、指導に基づいて使用されることを推奨します。
また、栄養補助食品の多量摂取により、健康が増進するものではありません。
食生活は、主食、主菜、副菜を基本に、バランスの良い食事を心がけましょう。

参考

メイバランスmini(株式会社明治)

アイソカル100(ネスレ)