月彩 Tsukisai...*

歳時記・旧暦・季節暦・美し和言葉・暮らし雑学...☾*

四月卯月

卯月(うづき)

旧暦では「卯の花(ウツギ)」が咲く頃。
卯月の「う」は「初(うい)」「産(うぶ)」で
農耕の1年の初めの月を意味したともいわれます。

四月は春たけなわ、国中の花々の大部分が一斉に咲き乱れ、自然が華やぐとき。
陽光の明るさが増し、人のこころも活動的になります。
年度始めの月で、入学や入社や転勤など、新しい門出となる月です。
四月の陰暦月名は卯月。陰暦十二ヵ月で花の名がついた唯一の月です。
卯の花が咲く月という意味で、卯花月(うのはなづき)とも言います。

4月は卯月、卯花月、花残月、清和月、鳥月とも呼ばれます。
卯月や卯花月は卯の花が咲く頃からということでしょう。
平安時代、女性の衣の襲(かさね)にも卯の花があります。
表を白、裏が萌葱でこの色目は4月に装っていたとか。
花残月は桜が咲き残るというイメージでしょうか。
清和月というのは空が晴て清らかに暖かいことを清和ということからの呼び名。
晴れて清らかだけなら秋になりそうですが
暖かいが加わるとやはり春4月なのでしょう。

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卯木(うつぎ)の花が、随所に咲き乱れるので「卯月」
または「卯の花月」とよばれています。
卯木の花は、古くから日本人に親しまれてきた花で
満月が卯の花を照らす光景を愛でて「卯の花月夜」と表現しました。 
気候的には暖かくなり,太陽の光に恵まれるようになった月という意味で
「正陽」「純陽」「六陽」などとも言いました。また、旧暦の四月は夏にあたるので
「初夏」「新夏」「孟夏」などとも言われていましたが
現実感がないのでほとんど使われていません。
桜の散ったあとの余りの月ということから「余月」、
桜の花のない月ということから「陰月」とも言われていました。

卯月とは卯の花(空木)月の意味で垣根に卯の花が咲く月ということ。 
夏の字の付く名が多いのは、旧暦思想では三月までが春、
四・五・六月は夏となっていたから。 
麦秋というのは、今では五月に対しても使いますが
麦が黄色に熟する収穫月の意味です。 
暦の上では夏と呼んでも、実際はまだ春です。
その一日をエイプリルフールと言って、ユーモアの日とするのも
いよいよ春らしくなった喜びの記念でしょう。

●定番のあいさつ
桜花の候 春爛漫の季節を迎えました。
春のけはいがようやくととのったようで・・・
拝啓 麗春の候、お元気でお過ごしのことと存じます。
春の日差しが心地よい毎日でございますが、いかがお過ごしですか。
花便りが各地から届くこのごろですが・・
春たけなわの季節となりました。いかがお過ごしですか。
春の日差しが心地よい毎日でございますが・・・
春陽のみぎり、ますますお元気でご活躍のことと存じます。
拝啓 春爛漫の候 お変わりはありませんか。

四月の異称
卯月(うづき)utuki
余月(よげつ)
陰月(いんげつ)
卯花月(うのはなづき)
花残月(はなのこりづき)
夏初月(なつそめづき)
木葉採月(このはとりづき)
得鳥羽月(とくちょううづき)
初夏(しょか)
首夏(しゅか)
孟夏(もうか)
始夏(しか)
維夏(いか)
立夏(りっか)
麦秋(ばくしゅう)
正陽(しょうよう)
六陽(りくよう)
と、夏・陽の付くものが多くあります。

六気(ろっき)
仲呂(ちゅうろ)
純乾(じゅんかん)
乾梅(かんばい)
修景(しゅうけい)
小満(しょうまん)
と、ひどく難しいものまで合わせると、四十種近くあります。

時候の挨拶
陽春の候  仲春の候  春和の候  桜花の候  麗春の候  花冷えの候
春暖の候  晩春の候  春たけなわのこの頃  うららかな季節を迎え
春暖いっそう覚えますこの頃  若葉萌え立つ今日この頃
ものみな春の装いとなってきました  桜の花は今を盛りと咲き誇っております

【結び】
春爛漫の折、どうぞ健やかにお過ごしください
花冷えの季節、くれぐれもご自愛ください

4月の季語
春暖/陽春/春風/花曇り/花冷え・春暖の候 ・陽春のみぎり ・花冷えの頃 など

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◎『花時』(はなどき)
花の咲く時期、花盛りの見ごろの頃。特に、桜の花の場合をさす。
それぞれの花が、美しく咲いている時期をいいます。

この季節は「桜」が美しい季節。
日本の国花でもある桜は、全国各地を彩るだけでなく
歌に詠まれたり、絵画や文様のモチーフとしても広く親しまれています。
平安の昔より「花」と詠まれれば「桜」を意味するほど特別な存在だったように
日本語には桜にまつわる美しい言葉がたくさんあります。

~さまざまの事思ひ出す桜かな~  (松尾芭蕉)

◎桜のいろいろ
幸福なことを「幸い(さいわい)」と言いますが、その古語は「さきはひ」。
「咲く」の名詞形の「さき」と、ある状態が長く続くことをあらわす
「はひ("気配""味わい"などの"はひ")」という言葉が
つながってできた言葉だそうです。
つまり、「さきはひ」は「花盛りが長く続く」という意味。
古代の日本人は、心の中に花が咲きあふれているような状態を
幸せと感じたのでしょう。
現代の私たちが満開の桜を見て幸福感を味わうのは
そんな遠い記憶によるものかもしれません。

その一方で、あだ桜、こぼれ桜、落ち桜、葉桜......と
折々の桜の姿をとらえて美しい名前が付けられてもいます。
それはきっと、これまで多くの人が桜のさまざまな表情を愛してきたという証し。
盛りの時ばかりでなく、散りゆく姿までを味わい慈しんできた
日本人の細やかな感性を思うとき、ちょっと誇らしい気もしてきます。 

夜桜
千年の昔から桜の美しさは、日本人の心に深く根づいています。
ですが、春のまばゆい日差しで華やかに咲き誇る桜とは別に
もうひとつの顔があります。
それは月明かりやボンボリの灯りに照らされた夜桜です。
近頃では人工的にライトアップされた夜桜も多く見られようになりました。
昼間と違い、闇に浮かび上がる姿は
不思議な妖しさをたたえて、人々を魅了します。

夜桜名所として日本三大夜桜と言われるのが
青森県の弘前公園、東京都の上野恩賜公園、新潟県の高田公園です。
弘前公園は、白亜の天守閣と堀りに散った花びらが美しく浮かび上がり
五千本の桜が昼間とは別に華やかな濃厚感に包まれます。

上野恩賜公園は、二千五百本のボンボリが吊され
夜桜は混雑ぶりの方が話題になるほどですが
ここでは不忍池周辺がお勧め。
こちらは賑わい少なく、池周辺に桜並木が続き、夜空が近く見え
都会とは思えない穴場的な夜桜見物が楽しめます。

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清明(せいめい)
二十四節気の一つで、春分後十五日目の日を言います。
旧暦三月の節で、毎年四月四、五日頃にあたります。
「清明」の意味は清浄明潔などといって、春先の万物が
けがれもなく清らかに生き生きしているさまを表した言葉を示します。
この時期は花々の好季節で行楽に適しており、踏青(とうせい)と称して
郊外に遊歩するのに最も恵まれた季節とされています。
従ってこの頃の風物を詠んだ名詩が数多く残っています。

旧暦3月の節気。 春分から15日目。
春先の清らかで生き生きとした様子を表した
「清浄明潔」という語を略したもの。

清明とは万物が若返ってすがすがしく、明るく美しくなることです。 
日本列島はさまざまの花が咲き乱れ、特に桜前線が次第に北上して
お花見シーズンの当来で、人々の心が浮き立ってきます。
南の地方では、越冬つばめが渡って来る頃でもあります。
いよいよ冬と決別して、温暖な季節となるので
旧暦時代には4月1日を衣替え(ころもがえ)の日としていました。
この日から冬の着物の綿入れを脱いで袷(あわせ)に着替えるところから
四月一日と書いて「わたぬき」という姓があるほどです。
もっとも、太陽暦の4月1日に衣替えをすると
風邪を引くおそれがありますからご注意を!
清明の節の終りから、次の穀雨の頃になればちょうど良いでしょう。

古くから中国では、清明の日に人々は郊外に出て春の風物を楽しんだり
先祖の墓参りをしました。
沖縄では「清明祭(シーミー)」といって、墓前に親族が集まり
酒・茶・お重を供えた後、皆でご馳走をいただく習慣があるそうです。 
沖縄ではお墓の前は「清明祭」をするための広いスペースが設けてあります。
ここで、お重を囲んで宴が催されるのだそうです。
気候もいい頃ですし、今ではピクニック感覚でどのお墓もとても賑やかだとか。 

二十四節気の一つで、春分後十五日目の日を言います。
旧暦三月の節で、毎年四月四、五日頃にあたります。
「清明」の意味は清浄明潔などといって、春先の万物が
けがれもなく清らかに生き生きしているさまを表した言葉を示します。
この時期は花々の好季節で行楽に適しており、踏青(とうせい)と称して
郊外に遊歩するのに最も恵まれた季節とされています。
従ってこの頃の風物を詠んだ名詩が数多く残っています。
清明とは、二十四節気の五番目の季節で
生きとし生けるあらゆる者達が、清らかに生命を輝かせる
という意味があるそうです。草花が咲き乱れ、鳥や虫たちが舞い飛び
ポカポカと暖かな陽気に包まれる時期です。

穀雨(こくう)
4月20日頃(2017年は4月20日)。
および立夏までの期間。太陽黄径30度
清明から数えて15日目頃。春季の最後の節気。

春雨が百穀を潤すことから名づけられたもので
雨で潤った田畑は種まきの好期を迎えます。
この時季に、特に雨が多いというわけではありませんが
穀雨以降、降雨量が多くなり始めます。
「清明になると雪が降らなくなり、穀雨になると霜が降りることもなくなる」
という言葉があるように、南の地方ではトンボが飛び始め
冬服やストーブとも完全に別れる季節です。
変わりやすい春の天気もこの頃から安定し、日差しも強まってきます。
昔から、この日に合わせて田畑の準備をします。
穀雨が終わる頃に八十八夜を迎えます。

穀雨とは稲や麦などの穀物の生長を助ける雨のことで
その雨の降る頃が穀雨の時期です。
春雨が百穀を潤すことから名づけられたもので、雨で潤った田畑は
種まきの好期を迎えます。
山野は穀雨の恵みによって緑のカーペットに覆われます。
この頃の雨は穀物だけでなく、あらゆる植物の生長を助けます。
南の地方ではトンボが飛び始め
冬服やストーブとも完全に別れる季節です。
変わりやすい春の天気もこの頃から安定し日差しも強まってきます。
もともとは、秋に種をまいた麦類の生長を助ける雨のことで
麦は穂が出て実を着けるようになります。
のちに稲にも適用されるようになりました。
穀雨の節気の終り頃、八十八夜(5月2日)となります。
立春から数えて88日目のことです。
この頃、多くの地方で霜が降らなくなります。
「八十八夜の別れ霜」とはそのことを指します。
しかし、時としてこの頃に遅霜(おそじも)が降りて
農作物に被害を与えることがあります。
これを「八十八夜の毒霜」といいます。油断大敵です。
八十八夜の頃から茶摘みが始まり、香りの良い新茶が
私達の味覚を楽しませてくれます。

春の雨が百穀を潤すという意味を持つ二十四節気の一つで春の最後の節気。
日射しも次第に強くなり始め、雨で湿った田畑は
秋に収穫する穀物の種まきシーズンとなり
穀雨を目安として田畑の準備をはじめます。
暦の上では穀雨を過ぎると夏を迎えます。 

百穀春雨
この時期に降る雨は、穀物を潤し芽を出させる春雨ということで、
百穀春雨と言われているようです。 
春時雨
降ったりやんだりする春の気まぐれな雨のことです。 
菜種梅雨
菜の花の咲いている時期に降り続く雨。 
紅の雨
ツツジやシャクナゲ、桃など紅の花が咲く頃の雨です。

春の土用(はるのどよう)  
立夏までの約18日間にあたる雑節の一つ。春の土用の入りは新暦4月17日頃。
土用とは「土旺用事」の略で、陰陽五行説による季節の割り振りで
四季に配当(冬:水、春:木、夏:火、秋:金)されなかった「土」の支配する時期として
各季節の末18日ないし19日間を指すもの。
季節の変わり目にあたる。現在は夏土用のみを土用と言うことが多い。

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おぼろ月 【朧月】
春の月は、ボンヤリと見えて輪郭がはっきりしていないことが多いですね。
これは、昼間の霞と同じ性質の空中に浮かぶ浮遊物のせいです。 
霧・モヤ・煙霧などによって視界がさえぎられて、月がかすんで見えたり、
その周りにボンヤリとしたまるい輪が見えたりします。 

春は移動性高気圧が通過したあとに温暖前線が近づいてきますが、
そのとき、まず絹雲・絹層雲・次いで高積雲・高層雲が現れます。
この層雲は霧状だから、地上から通して見れば
太陽や月がかさをかぶって見えたり、
おぼろに見えたりします。
また春は、夜間に冷え込んで地面付近の気温が下がっているところへ、
南からあたたかい風が吹いて、
上空のほうが比較的温度が高いという『気温の逆転層』を作ります。
この層の下に霧が出来やすいのでほんのりと美しいおぼろ月が見えたりします。

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入学式・入社式
【入学式】や【入社式】は四月の代表的な行事です。
でも近代教育制度が始まった明治初期は
欧米の制度を取り入れていたので、九月に行われていたようです。
その後、国の会計年度が四月始まりになり、それに合わせて入学式や入社式も
年度初めの四月に行われるようになったとか。 

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お花見
お花見は、日本人が古来から楽しみにしていた春の行事です。
「花見」といえば桜の花を見るために野山に出かけること。
桜以外の花を見に行くときは「梅見」「観梅」「観菊」などと
その花の名前をつけて表します。
昔から日本人にとって「桜」は特別な花でした。

奈良時代には、花といえば梅や萩などを指していましたが
平安時代の貴族たちは桜を春の花の代表格として愛で
歌を詠み、花見の宴を開いて楽しんでいました。
以来、この時季に咲き誇る花は、桜以外にも桃や菜の花など色々ありますが
日本人にとっては「花」といえば桜の花を意味するようになりました。
また、お花見は豊作祈願の行事として、農民の間でも行なわれていました。
桜は、春になって山からおりてきた田の神様が宿る木とされていたため
桜の咲き方でその年の収穫を占ったり
桜の開花期に種もみをまく準備をしたりしていました。
「サクラ」の語源には諸説ありますが、一説によると
「サクラ」の「サ」は田の神様のことを表し
「クラ」は神様の座る場所という意味があり、「サクラ」は
田の神様が山から里に降りてくるときに、いったん留まる
依代(よりしろ)を表すとされています。
また、桜の花が稲の花に見立てられ、その年の
収穫を占うこ とに使われたりしていたため、「サクラ」の代表として
桜の木が当てられるようになったという説もあります。
豊作を願って、桜のもとで田の神様を迎え、料理 や酒でもてなし
人も一緒にいただくことが本来のお花見の意味だったのです。
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江戸時代になると、春の行楽としてお花見が庶民の間にも広がり
酒を酌み交わすお花見になっていきました。
江戸時代は、園芸が盛んになった時代でもあり
桜の品種改良が進んだことで、身近な場所で
お花見が楽しめるようになったのです。
三代将軍家光が上野や隅田河畔に桜を植え、八代将軍吉宗は
飛鳥山を桜の名所にし、花見の場も増えました。これらは今でも
東京のお花見の名所になっています。

桜は古くから親しまれており、私たちの暮らしの中に深く根付いています。
春の気候や情景を表す言葉にも「桜」が使われているものが沢山あります。
古くから「花見」といえば「桜」の花を見ることを意味したように
日本人にとって桜は特別な花。ただ「花」と表されていても
桜を指すことが多いです。

桜の蕾が赤みを帯びる頃は、私たちのからだが上を向きたいと思う頃。
その溢れんばかりの力強さを少しでも感じたくて
背筋が自ずと伸びるのは私だけでしょうか。
ほころび、そして花が開きはじめると、からだも開いていく。
花を愛でれば、少し前の愁いも次第に消え、活動的になっていく。
桜の便りが北上するとともに、日本に住む人の気分も
上昇しているとしたら、とても喜ばしいことです。

文学における「花」は、平安時代以降、
「梅」から「桜」へ替わったとされています。
花曇り、花冷え、花衣、花の雲、花の雨、花の宿、花の昼…、
散った花が水に浮かぶことを、まるで筏のようだと見立て
「花筏(はないかだ)」と呼ぶ。
一床、二床と浮かぶ数少ない花筏には趣があります。
何百床、何千床ともなれば、川をうねりながら織りなし
前衛的ともいえる芸術と化すことを、ある映像から知りました。
先人たちは、日常に使う言葉に「花」を添えることで
短いひとときを十分に味わおうとしたのです。

花が散りはじめると、同時に若葉が芽吹き
葉桜としての美しさを愛でることができます。
その後、すべてが落花し、がくに残った
紅い蘂(しべ)が目立ちはじめ、そして「桜蘂降る(さくらしべふる)」。
この言葉が晩春の季語として歳時記に掲載されています。

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気候や開花にまつわることば

【花冷え】
桜が咲きほこる時期に、暖かくなった気候が
一時的に冷え込むことを表します。
【花曇り】
桜が咲く時期の曇り空のこと。
渡り鳥が移動する時期なので、鳥曇りとも呼びます。
【桜流し】
春の雨で桜の花びらが落ち、流されていく様を言います。
また、桜を散らしてしまう雨のことも表します。
【桜前線】
日本各地の桜(主に染井吉野)の開花予想日の
同じ日付の場所をつないだ地図上の線。
マスコミの造語で、気象庁による正式名称は
「桜の開花の等期日線」といいます。
3月上旬に九州や西日本からスタートし、次第に北上して
5月上旬に北海道に至ります。
【花時】
花が咲く頃や盛りになる頃のこと。
特に桜が満開になる時期を指すことが多いことばです。
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◎春眠
「春眠暁を覚えず」と、中国・唐の孟浩然(もうこうねん)の詩にある通り
冬から春への変わり目はとかく眠気を感じます。
植物が芽吹く春は、人の体も新陳代謝が盛んになり、エネルギー代謝に必要な
ビタミンB群が不足して眠くなるようです。
春の眠気対策に、ビタミンB群が多い菜の花(「なばな」)をサッとゆでて
お浸しや炒め物にしてみましょう。
鮮やかな色と春の香りに、体もシャキッと目覚めるでしょう。

桜の花の様子をあらわすことば
【こぼれ桜】
桜の花が満開で、まるで地面にこぼれ落ちたように見える様子のこと。
また、桜の花びらを散らした模様を指します。

【花吹雪】
満開の花、特に桜の花びらが風に吹かれて舞い散る様子が
まるで雪が吹雪いているように見えることから生まれたことばです。

【花明かり】
桜の花が満開で、闇の中でも辺りをほんのりと
明るく照らしているように感じられる様子を言います。

【花筏(はないかだ)】
水面に散った花びらが筏のように流れていく様子を言います。

【花の浮橋】
水面に散った花びらが橋のように集まっている様子。

お花見にまつわることば
【花かがり】
夜桜を鑑賞するために焚くかがり火のこと。
京都・祇園のものが有名です。

【花疲れ】
花見をして疲れてしまうこと。
人混みや満開の花に気持ちが高ぶったことからくる疲労感のことを指します。

少し横道にそれますが「花より団子」はきれいな桜の花を見るより
花見団子を食べたほうが良いというところから
「風流を理解する心がないこと」や
「名誉よりも実利を優先する」などという意味で使われます。

日本人らしい感性にあふれた美しいことばを
会話の中でさりげなく使えると素敵ですね

弥生三月

長い雪の日々からすこしずつ春の日差しが長くなり雪解けが一気に進む3月。
その喜びと、感謝の思い。春にむけての希望の時期。
まだまだ風の冷たさが身にしみることもありますが
陽射しはやわらかく、春の明るさが確かに感じられるようになってきました。

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三月は春の息吹を実感する月で、弥生三月ともいいます。
陰暦での弥生は現在の四月ごろですが
この春たけなわの時期は、萌えいずる草木が
いよいよ生(お)い茂り盛んになることで
「弥(いや)おい」といい、それが「やよい」になったといわれます。
旧暦では、二月の梅に続いて三月には桃や桜が花開くので
花月(かげつ)、桃月(ももつき)、桜月 (さくらつき)、などといいます。
最もポピュラーなのは、弥生(やよい)です。
弥は「いよいよ」「ますます」の意味で
「たくさんのもの(植物)が生まれて花盛りになる月」として名付けられました

弥生三月
三月は「弥生」と書きますが「弥生(いやおい)」が変化したもの。
弥生の「弥(いや)」は「ますます」「いよいよ」などを意味し
「生(おい)」は「生い茂る」と使われるように
草木が一斉に新芽を出して緑美しく生い茂ります。
つまり「弥生」は「いよいよ生まれる」とか 
「いよいよ生き生きした季節になる」という意味になるでしょう。
桃や桜が咲くので花月(かげつ)
だんだん暖かくなって眠気を誘うので夢見月という異称も。

三月の異称には、代表的な【弥生】から始まって
花月(かげつ)、嘉月(かげつ)、桜月(さくらづき)、称月(しょうげつ)
禊月(みそぎづき)、蚕月(かいこづき)、桃月(ももつき)、
宿月(しゅくげつ)花見月(はなみづき)、春惜月(しゅんせきづき)、
夢見月(ゆめみづき)早花咲月(はやはなさきづき)、
晩春(ばんしゅん)、暮春(ぼしゅん)季春(きしゅん)、末春(まつしゅん)
殿春(でんしゅん)、暮陽(ぼよう)と何となく字面から意味が分かるものから
竹秋(ちくしゅう)、花飛(かひ)、中和(ちゅうわ)、穀雨(こくう)
清明(せいめい)、桃浪(とうろう)、花老(かろう)
春章暮律(しゅんしょうぼりつ)、未垂(みすい)、姑洗(こせん)
載陽(さいよう)、五陽(ごよう)、など、ひねった言い方のものまで
約四十余りあります。

花月、桜月、桃月は、これらの花がこの月に咲くことから。
禊月は雛のみそぎをすることから付いた名前。
夢見月はついうつらうつらと夢見がちになるという意味です。
暦の上では春の終わりとはいえ、実際はこれからが春らしくなる月です。
暑さ寒さも彼岸までということで、彼岸の中日(春分)頃には
寒さも打ち止めになり、生活にも一区切りの月です。
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春という言葉 
諸説ありますが「万物が発る」時候というのが一般的な定説のようです。
その他...「草木の芽が張る」「天気が晴る」「田畑を墾る」などから
「はる」という説もあります。

●三春(さんしゅん)
初春
春先、春べの頃、
つまり立春(2/4ごろ)から啓蟄の前日(3/5ごろ)までをいい、
孟春ともいいます。

仲春
春さなかの頃、
啓蟄(3/6ごろ)から清明の前日(4/4ごろ)までをいい、
仲陽ともいいます。

晩春
末の春の頃、
清明(4/5ごろ)から立夏の前日(5/4ごろ)までをいい、
季春ともいいます。

<時候の挨拶>
早春の候 浅春の候 春暖の候 春雨の候 春色の候
 春風の侯 春暖の候 若草の候 軽暖の候  

 春の彼岸の頃 日増しに春めいてまいりました
 水ぬるむ季節となりました ひと雨ごとに春めいてまいりました
 弥生の空美しく晴れわたり 桜のつぼみもふくらみ 
 急に春めいて 風はまだ寒く 日毎にのどかになり 

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<風習・伝承> 
●雛祭り
3月3日は、もともと古代朝廷で祝われた五節句の一つ。
昔、中国で三月に女の子を亡くした両親を慰めるために
村中で供養したという故事や
日本の禊ぎ(みそぎ)の習慣があわさって雛祭りとなりました。
古くは紙や土でつくった人形(ひとがた)で身体を撫で
これを川に流してケガレを祓ったものがやがて飾り雛となっていったのです。
雛祭りにつきものの桃の花は、魔除けや邪気を祓う木と考えられ
菱餅は心臓の形を模したものともいわれています。
また菱餅の三色は、赤のクチナシが解毒剤、白の菱が血圧低下剤
緑のヨモギが増血剤として、それぞれ用いられてきたもの。
現代でも流し雛の習慣は各地に残っていますが
一般的には女の子の健やかな成長を願う祭りとして祝われています。

◆上巳(じょうし/じょうみ) 桃の節句・ひなまつり
3月3日は、五節句の二番目「上巳(じょうし)の節句」。
中国にはこの日、水辺で身体を清め、宴会を催し
災厄を祓うという風習がありました。
こうした中国の節句の行事と、日本に古代から伝わる
禊祓(みそぎはらい)の思想や「人形(ひとがた)」を流す風習とが混じり合い
日本ならではの上巳の節句となりました。 
上巳はじょうみとも読まれ、本来は三月の最初の巳(み)の日という意味でしたが
かなり古い時代から3月3日に行われるようになりました。

ひな祭りとは、元々、厄除けの日です。
桃の花を飾り、季節の食べ物を供え
身の穢れや災いをひな人形を飾り厄を托すのです。
桃の花は昔から邪を払う霊木とされ、皮膚病の薬として珍重されてました。
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◆二十四節気

■啓 蟄 
この頃になると、冬の間、土の中で冬ごもりしていた、いろいろな虫が
穴を 啓いて地上へ這い出してくるというところから啓蟄と呼ばれる。
またこの頃は、春雷がひときわ大きくなりやすい時期でもある。
そこで昔の人は、冬ごもりの虫が雷の音に驚いて這い出してくるのだろうと考え
「虫出しの雷」と名付けたりもした。
まだまだ、寒い時節ではあるが、日足も目に見えるように長くなり
日の光の中に春を強く感じるようになる。
ちなみに、「蟄」は「ちゅう」の慣用読みで、虫などが土中にかくれている意。

■春分の日
二十四節気の「春分」そして国民の祝日「春分の日」
お彼岸の中日(ちゅうにち)でもあります。
本格的な春が到来し、秋分とともに昼と夜が同じ長さになる日。
桜前線が北上しはじめるのもちょうどこの頃です。
また、春分の日を中心として前後七日間を「彼岸」と呼び
先祖を供養するためにお墓参りをします。
墓参りの際に「ぼたもち」をお供えする所も多いですが
地域によっては「団子」や「のり巻き」をお供えする場合もあります。
「花冷え」や「寒の戻り」があるので、暖かいと言っても油断は禁物。

●桃
桃の節供の「桃」は三月を代表する花です。
桃には、花を楽しむ花桃(はなもも)と、実を採るための実桃(みもも)があります。
桃は、日本では古くは『古事記』の中に、伊邪那岐命(いざなぎのみこと)が
3個の桃で追手を撃退した話があり、中国では、西王母伝説・桃源郷伝説にも
みられるように不老長寿の果実とされています。
早く花が咲き実が多く繁殖力が強く、字の作りの「兆(きざし)」は
多産の象徴で実の形が生命力を表現しているといわれます。
また花の赤色と特有の薬味が邪気を祓うとされ、古代中国では
死者の胸に桃の木を置いたり、門戸に立てたり、身につけたりしていました。
また、宮中の「追難の儀」において、桃の枝、桃の弓、葦の矢で
疫鬼を追い払うのに使用されました。物忌や祓えを行うにあたり
悪鬼をはらい豊作を祈る心が込められています。
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(菜の花)
季節の花ということで、春をイメージさせる花であるためか
桃の花の他に菜の花を飾る習慣も有るそうです。
「木の芽風」という美しい言葉がありますが
木の芽を温かくはぐくむかのように吹く春風をいいます。
少し温かな日には、少し遠出して散策するのも良い時節です。
山野を眺めると生気感じられ、緑かかったり、ほの赤いような感じがします。
木々が芽吹き生気あふれる山の様子です。
一方、気象庁の区分では、春は3月から始まります。 

春は草木の芽が「張る」「芽が膨らむ」からきていると言う説があるように
これからは、草木の芽が膨らんで
膨らんだあとで花になったり、葉になったり
まさに生き生きした季節がやってきます。 
つまり、弥生と春は同じような意味の言葉なのです。 

桜のつぼみもふくらみ始め、日ごと春らしさを感じる3月。
暖かい日差しを感じて心うきうきしてきます。
「春」の語源は草木の若芽が張ってくる季節。
日脚が延び、夜明けが早くなりました。
この季節になると、朝6時前には東の空はうっすらと
紫色から淡いピンクの、暖かく柔らかい春の光になってきます。
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三寒四温(さんかんしおん)
冬から春にかけて寒い日が三日、その後に暖かい日が四日続く
といったぐあいに、寒暖が繰り返される現象を三寒四温と呼びます。
中国に由来される言葉で、朝鮮半島や中国東北部、華北地方では
顕著に見受けられますが、日本ではそれほど規則正しい周期はないと言われています。

菜種梅雨(なたねづゆ)
三月中旬から四月にかけて、菜の花が咲き始めるころ
雨になったり霧がかかったりして、ぐずついた天気になることがあります。
これを菜種梅雨、もしくは春霖(しゅんりん)と呼びます。
霖とは長雨のことをさしますが、このころの長雨は
夏前の梅雨ほどのうっとうしさは感じられません。

春霞(はるがすみ)
春の季節に立つ霞をいいます。
霧と霞は違っていて、気象的には視界が1キロ未満のものを霧
それよりも遠くを見渡せるけれど、景色がぼやけて見えるものを霞といいます。
霞はカスミと読みますが、モヤとも読みます。
カスミは気象観測上の用語ではありません。
煙や雲がたなびいたり、霧やもやなどのため遠景がぼやけて見える状態をいいます。
遠景に棚引いている薄雲は霞ですが、その中に入ると
霧の状態ということもあります。しかし、霧が棚引くという言葉はなく
立ち昇るは雲ではいいますが、霞がたちのぼるとはいいません。
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木の芽風」という美しい言葉がありますが
木の芽を温かくはぐくむかのように吹く春風をいいます。
少し温かな日には、少し遠出して散策するのも良い時節です。
山野を眺めると生気感じられ、緑かかったり、ほの赤いような感じがします。
木々が芽吹き生気あふれる山の様子です。
一方、気象庁の区分では、春は3月から始まります。 

春は草木の芽が「張る」「芽が膨らむ」からきていると言う説があるように
これからは、草木の芽が膨らんで膨らんだあとで花になったり、葉になったり
まさに生き生きした季節がやってきます。 
つまり、弥生と春は同じような意味の言葉なのです。 

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『春は曙 ようよう白くなり行く山際 少しあかりて 
紫だちたる雲の細くたなびきたる』 清少納言・枕草子

昔から日本人は、光の色からも季節の移り変わりを敏感に感知し
暮らしの知恵を生み出し、俳句や和歌を詠んだのです

二月 如月暦

冬の名残がなかなか去らない二月。
「暦の上では、もう春なのに…」
ついついそんなことをつぶやいてしまう寒さですが
梅の木はつぼみを膨らませ、春を告げようとしています。
のんびり梅を眺めれば
遠くから鶯の鳴き声が聞こえてくるかもしれません。
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旧暦2月の異称、如月といい、また「きぬさらぎ」ともいいました。
現在では、ほぼ3月にあたります。
「日本書紀」の仁徳紀の中に、奈良県東部の山中に氷室(ひむろ)を造り
夏には日本酒のオンザロックを飲んでいたという記事があり
その中に「春分(きさらき)」という呼称が用いられています。

語源説はいくつかありますが、寒さを防ぐために衣を
さらに重ねて着る意から衣更着(きさらぎ)に
また陽気が発達する時期であるところから
気更来(きさらぎ)になったというのがよく知られています。
(さらに草木の芽の張り出す月だからこの名がついたという説や
旧暦2月は燕が来る時季であるといわれており去年の旧暦8月に雁が来て
さらに燕がやって来始める月、すなわち
「来更来(きさらぎ)」月が語源だとする説などがあります。)
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*その他の2月の別称

建卯月(けんぼうげつ)・令月(れいげつ)・麗月(れいげつ)・雪消月(ゆきげづき)
梅見月(うめみづき)・梅津月(うめつづき)・初花月(はつはなづき)
木芽月(このめづき)・大壮月(たいそうづき)・小草生月(おぐさおいづき)
中の春(なかのはる)・酣春(かんしゅん)・春半(しゅんはん)
仲陽(ちゅうよう)・仲序(ちゅうじょ)・為如(いじょ)・令節(れいせつ)
降入(こうにゅう)・華朝(かちょう)・美景(びけい)・恵風(けいふう)など。
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立春(りっしゅん) 新暦2月4日ごろ⇒旧暦1月節気 
太陽が黄経315度の点を通過する時。節分の翌日です。
暦の上では、この日が一年の始めとされた。この日から春になります。
「春たつ」「春くる」などと春の季語になっています。
日足が伸び、この頃から気温は上昇に向かい木々もしだいに芽吹き始め
春の気配がどことなく感じる時節です。
春とは言えこの時期はまだ寒さが続きます。禅寺ではこの日の早朝
入り口に「立春大吉」と書いた表紙を貼る風習があるようです。
また、立春は雑節の基準日でもあり
八十八夜・土用・二百十日などを起算するもとになります。 

立春(りっしゅん)は、二十四節気において春の始まりとされる日。
節分の翌日です。

1985(昭和60)年以来、2月4日が続いていたのですが
2021年は37年ぶりに日付が変動しました。
現代の日本では、国立天文台の観測によって
「太陽黄経が315度になった瞬間が属する日」を立春としています。

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雨水(うすい) 新暦2月18日ごろ⇒旧暦1月中気 
太陽が黄経330度の点を通過する時。
雨水とは、今まで降った雪や氷が解けて水となり
降る雪も雨に変わるという意味です。
この頃は、雨水もぬるみ、草木の発芽を促し、萌芽のきざしが見えてくる時候で
昔より、農耕の準備などに、この雨水を目安として始められたようです。 

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恵方巻。 吉方巻き。
恵方巻は、大正時代に大阪の商人の間で発祥した風習に由来します。
当時は、節分の時期においしく漬けあがったお新香を海苔巻きにし
商売繁盛を願って食べるというもので、景気づけの意味あいが
強かったようです。

恵方巻は、その年の恵方を向いて丸かじりすると、願い事が叶ったり
幸運に恵まれ、無病息災や商売繁盛をもたらすとされています。
さらに、縁起よく七福神にちなんで7種類の具を入れ
福を巻き込んだ太巻きを食べると良いとされ、福を逃さぬよう
包丁で切ったり、途中で喋ったりしてはいけません。
また、太巻きを鬼の金棒(逃げた鬼が忘れていった金棒)に見立てて
鬼退治ととらえる説もあります。

恵方とは、その年の福を授ける年神様(歳徳神)がいる方角で
その年最も良い方角とされています。

〈2024年の恵方は「東北東」〉
この方角がどう決まるかはご存じですか? 
恵方とは歳徳神(としとくじん)という一年を守ってくれる神様がいる方角のことで
その方角は毎年変わりますが「東北東」「西南西」「南南東」「北北西」の
4パターンしかないのです。
暦を構成する十干( 甲・乙・丙・丁・戊・己・庚・辛・壬・癸)によって
4つのうちどの方角になるかが決まります。
歳徳神はその年の福を司る神様…
その方角に向かって色々なことを行うと良いといわれているため
恵方巻もこの恵方に向かって食べるらしいです。

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◆ 初午(はつうま)  
初午(はつうま)は、2月の最初の午の日。
稲荷社の縁日で、雑節の一つとすることがある。
全国で稲荷社の初午本社である京都の伏見稲荷神社の神が降りた日が
和銅4年のこの日であったとされ、全国で稲荷社を祀る。
この日を蚕や牛・馬の祭日とする風習もある。
江戸時代には、この日に子供が寺子屋へ入門した。
本来は旧暦二月の最初の午の日であるが、現在では
新暦2月の最初の午の日とされている。
そのため、元々は春先の行事だったのが
冬の一番寒い時期の行事となってしまった。 

また今では二月最初の午の日とされるが
古来は、立春以降の最初の午の日に行われていた。
2月の2回目の午の日を二の午(にのうま)、3回目を三の午(さんのうま)と言い
これらの日にも祭礼を行う地方や、二の午
もしくは三の午にのみ祭礼を行う地方もある。

本来は豊作祈願が主でしたが、最近では
開運・福徳・商売繁盛をもたらす神として

広く人々にあがめられています。

◆ 旧正月(きゅうしょうがつ)  
旧正月とは旧暦の正月のことで、その年によって日にちは異なります。
二十四節気の雨水(新暦2月19日ごろ)の直前の
朔日(さくび)【新月】が旧暦の元日となり
新暦では年によって1月22日から2月19日までの間を移動することになります。
朔日を元日として始まる新年を大正月といい
15日の望の日(満月)を小正月といいます。

旧正月は中国では春節と呼ばれ、現在でも新年を祝う行事が
新暦の正月よりも盛大に行われます。旧正月を新年として祝う習慣は
韓国や台湾、ベトナム、モンゴルでも見られます。
日本では、1873年(明治6年)1月1日から
新暦(太陽暦/グレゴリオ暦)に改暦された際に
新暦の1月を新年として祝うようになりましたが、沖縄、奄美地方の一部では
旧正月を新年として祝う風習が残っているところもあります。
また、横浜の中華街、神戸の南京町、長崎新地中華街などでは
旧正月に春節の行事が行われ、獅子舞や爆竹はこの時季の風物詩となっています。 
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二月は暦の上では春ですが、まだ寒さが身にしみる季節です。
しかし陰暦の名称の如月は、陽気が良くなりつつも寒さが残り
衣(きぬ)を更に着るので「衣更着(きさらぎ)」
時気が更に発達して来る「気更来(きさらき)」
春に向かい草木が更に芽吹き始める「生更来(きさらき)」
などの意味があるといわれます。
新暦では寒い二月も陰暦の二月は現在の三月頃ですから
そのような表現も的(まと)を得ております。

日本で現在の太陽暦の使用開始は明治六年からで
それまでの基本は月の満ち欠けで日を読む暦法でした。
でも、月が基準では日付と季節とのずれが生じます。
そこで正確な季節をあらわす指標として考え出されたのが
太陽の運行を基に一年の長さを二十四等分した二十四節気です。
二十四の節気は年毎に微妙に違いますが、その季節にふさわしい
春分、夏至、秋分、冬至といった名称を付け、日付と季節とを一致させました。
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二十四節気は立春から始まります。
旧暦では、立春に近い新月の日を一月一日としていました。
立春は春の始まりであると同時に、一年のスタートでもあったのです。
今でもお正月のことを「新春」「初春(はつはる)」などと呼びますが
そのころの名残りが残っているのですね。 

まだ春は産声をあげたばかり。実際には気温が最も低い時期です。
それでも、一進一退を繰り返しながら、確実にあたたかくなっていきます。
日脚も延び、日差しも明るさをましていきます。
ちょうどこの時期にぴったりなのが「光の春」という言葉でしょう。

俳句では、立春を過ぎると、寒さが厳しくても
「余寒」「残る寒さ」「春寒(はるさむ・しゅんかん)」などといいます。
どんなに冷え込んでも、心は春なのですね。
きっと、気温でしか春を感じることができない人よりも
ずっとたくさんの春に出会うことができるのではないでしょうか。
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二十四節気「立春(りっしゅん)」

東風解凍(はるかぜこおりをとく)2月4日頃
春の風が川や湖の氷を解かし始める頃。
「東風」(こち)とは春風を表す代名詞。


黄鴬睍睆(うぐいすなく)2月9日頃
山里で鴬が鳴き始める頃。
春の訪れを告げる鴬は「春告鳥」(はるつげどり)とも呼ばれます。

魚上氷(うおこおりをいずる)2月14日頃
水がぬるみ、割れた氷の間から魚が飛び跳ねる頃。
春先の氷を「薄氷」と呼びます。


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【雨水】 うすい:2月19日頃
雪から雨へと変わり、降り積もった雪も溶けだす頃という意味です。
実際にはまだ雪深いところも多く
これから雪が降り出す地域もありますが

ちろちろと流れ出す雪溶け水に、春の足音を感じます。

二十四節気「雨水(うすい)」

土脉潤起(つちのしょううるおいおこる)2月18日頃
雪がしっとりとした春の雨にかわり、大地が潤い始める頃。
「脉」は脈の俗字です。


霞始靆(かすみはじめてたなびく)2月23日頃
春霞がたなびき始める頃。
春の霞んだ月を「朧月」(おぼろづき)と呼びます。


草木萌動(そうもくめばえいずる)2月28日頃
草木が芽吹き始める頃。
草の芽が萌え出すことを「草萌え」(くさもえ)と言います。

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立春の前日が節分です。節分は四季を分ける日で
かつては立春、立夏、立秋、立冬の四回ありました。
それが立春から年が始まるという考え方から、いつの間にか
節分といえば年が変わる春の節分になりました。
すると節分が一年最後の大晦日になります。
“豆まき”の行事は中国から伝わった追儺(ついな)の儀式と
平安時代に行われていた方違(かたたが)えの豆打ちに由来します。
追儺は「鬼やらい」「鬼走り」「厄落とし」などと呼ばれます。
中国では二千年以上も前から季節の変わり目に疫病や災害
邪気をもたらす鬼を追い払う儀式があり
八世紀初めに遣唐使が日本に伝えました。

節分は、冬ごもりの暗い気分を一掃し、希望にあふれる春を
迎えたいという庶民の願いが一つの習俗になったと言えます。
また、二月最初の午(うま)の日に、全国的に
稲荷社を祀る初午の行事があります。
これは農作物の豊作祈願が稲荷信仰と結びついたお祭りです。
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せつぶん・せちぶんと呼ばれる「節分」は
二十四節気の「立春、立夏、立秋、立冬」の各季節の
始まりの前日のことを指していました。
「節分」とは、節を分ける・季節を分けるという意味があるのです。
江戸時代以降は、特に立春の前日を指して呼ぶようになり
雑節の一つとされています。

二十四節気の、小寒から立春までとされる
大寒の最後の日でもあるため、寒さはこの日あたりが
一番厳しいとされてきました。
季節の変わり目には「邪気・鬼が生じる」と信じられていて
それを追い払う「悪霊払い」の行事が行われます。
節分の日付は毎年「2月3日」ですが、この日付は
1985年から2024年までに限られているそうです。
複雑な話はとても難しいのですが、節分の日付は数十年で
少しずつ変わるらしいですが、立春の前日と言うことでの位置は変わりません。
間接的には天体の運行と、厳密には標準時とも関連するようですが
日本以外の世界の国々には「節分を祝う風習がない」ため
「旧正月」のように日付の違いで話題にはならないようです。
と言うことは、「節分」とは日本特有の行事だということになります。

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節分の日が動き出す

2024年の「節分」は2月3日(土曜)です。

「節分」は2月3日に行われる行事だ
というイメージを持っている方も多いのではないでしょうか?

実は「節分」は2月3日と決められているわけではありません。
「節分」は季節の節目のことです。
そのため「節分」は毎年「立春」の前日に行われています。

「立春」は「2月4日」からあまり変動がないため
「節分は2月3日」というイメージを持っている方も多いですが
2021年の節分は2月2日だったりと実際は年によって日付が異なるのです

地球が太陽を回る周期と暦のずれによるもので
2022年から3年間は3日に戻りますが、25年には再び2日になります。

季節を表す立春や秋分などの二十四節気は、国立天文台が太陽と地球の
位置関係から日付を計算し官報で公表しています。

地球が太陽を一周する公転周期は365日と6時間弱。
4周するには4年と1日ほど必要。このため実際の気候と暦が合うように
4年に1度のうるう年に2月29日を追加して補正しています。
ところがこの補正で約45分増やし過ぎとなるため、400年の間に
うるう年を3回減らして帳尻を合わせています。
こうした暦のずれと補正の繰り返しによって立春などの日付が変わるのです。

節分も2月2日から4日の間を行き来してきました。
1984年は2月4日でしたが、翌85年から2020年までは2月3日が続きました。

国立天文台暦計算室の片山真人室長は
「124年ぶりの珍しい機会に暦の仕組みに興味を持ってもらえれば」
と話しています。

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時候の挨拶(2月・如月)

〇改まった手紙
立春、向春、早春、春浅、春雪、春寒、晩冬、残雪、
雪解、余寒、残寒、厳寒、梅花、紅梅、梅月、梅鴬、中陽、節分、寒明け、
(上記を使用する場合は「~の候」「~のみぎり」「~の折」のいずれかを繋げる)

余寒厳しき折柄
春寒ややゆるみ
寒気は冴えかえり
余寒なお去りがたき折から
立春とは名のみの寒さ
三寒四温の時節
暦の上に春は立ちながら

〇親しい人への手紙
春の陽気が待ち遠しい今日この頃
雪解けの水もようやくぬるみ
梅便りが聞こえる今日この頃
冬の名残りがなかなか去らず
鶯の初音が聞かれる頃となりました
いくらか寒さも緩み
寒さの中にも春の足音が聞こえてきます
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